内容説明
イノベーションを100%コントロールすることはできない。しかし、100%コントロールできないわけでもない。この狭間から、マネジメントはどこへ向かうべきか…?エプソンが取り組んだ3つの組織変革と1つの成功事例を通して、イノベーションの本質とは何か、イノベーティブなマネジメントとは何かを考える。
目次
第1部 マネジメントとイノベーション(なぜイノベーションに注目するのか?;イノベーションはどのように考えられてきたか?;イノベーションは創発である)
第2部 セイコーエプソン・機器デザインセンターの挑戦(組織設計の変革;人事評価システムの変革;ひとりひとりの意識変革;EMP‐TWD1誕生物語―イノベーティブな製品の生まれ方 ほか)
著者等紹介
佐藤剛[サトウタケシ]
グロービス経営大学院大学経営研究科教授。1984年早稲田大学大学院政治学研究科修士課程修了後、流通政策研究所主任研究員、長野大学産業社会学部産業情報学科教授を経て、2006年より現職。専攻は組織行動学。2002年、慶應義塾大学大学院経営管理研究科博士課程修了。博士(経営学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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帯長襷
5
イノベーションは天才だけが起こすものではなく、仕組みで起こせる。正確には100%起こせるわけではないが、誰かによって芽を出したアイデアを成果に結びつけるには育てる環境が必要だということ。天才一人ではできず、芽を育てて実らせることや、その芽をたくさん出させることは環境によってできるということ。環境とは、組織風土、構造、採用、評価制度、マネジメント手法など、人事管理でできるということである。イノベーションを起こす「舞台装置」を整えれば演者(社員)が自律的に動くことは可能である。多くの日本企業に今必要な改革。2018/11/05
壱萬弐仟縁
4
かつて著者からはマーケティング論を学んだ。今なら、ソーシャルマーケティングとかエリアマーケティングを真剣に質問したと思う科目だったな。イノベーションは不況脱出の出発点だと思う。労働者は生産性や効率を上げて実質賃金を上げるしかないが、企業は技術革新しやすい環境をつくると業績にアップしよう。著者はイノベーション起こりやすい環境を整えることを推奨している(56ページ)。確かにそうだと思う。だから一定の時間はかかるだろうが、一度革新されれば、後から数字や結果が付いてくるのだろうな。先生は小柄ながら鋭かった人だな。2013/01/31
ミッキー
0
イノベーションを生む組織運営を日本企業の実例から紹介。シリコンバレー企業の例、イノベーション研究とも共通点があり、イノベーションについての必要条件を再確認しました。2012/10/06
ひかる
0
技術者だけ、デザイナーだけでは製品は作れない2009/05/01
かりぐ
0
こういった組織のイノベーション創出に関する本を読んだのは初めて。途中面白いと思える部分はあったが、最後の章の内容が抽象的でわかりにくかった。2009/01/25