叢書21 COE-CCC多文化世界における市民意識の動態
ファシズム前夜の市民意識と言論空間

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ A5判/ページ数 210p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784766414660
  • NDC分類 237.06
  • Cコード C3331

内容説明

20世紀初頭、雑誌メディアによって結ばれた知識人、出版人、読者の文化史。ジャーナリズムの可能性と問題に迫りながら、ファシズムへと傾斜する時代のイタリアを捉えなおす。

目次

第1部 研究編(ナショナリズムの起源―『レーニョ』、『レオナルド』におけるコッラディーニ、パピーニ、プレッツォリーニ(1903年‐1907年)
哲学者と出版人の葛藤―クローチェとラテルツァの文化戦略(1902年‐1915年)
総合雑誌の誕生―雑誌『ラ・ヴォーチェ』の軌跡(1908年‐1913年)
戦争とメディア―リビア戦争とサルヴェーミニの『ウニタ』創刊
高級文化への叛逆―『ラ・ヴォーチェ』、『ラチェルバ』におけるパピーニ、プレッツォリーニの参戦運動(1914年‐1915年))
第2部 史料編(『レオナルド』(簡潔なるプログラム)
『クリティカ』(イントロダクション)
『ラ・ヴォーチェ』(『ラ・ヴォーチェ』の計画書) ほか)
第3部 年表編(ジョヴァンニ・パピーニ(1881‐1956)の年譜
ジュゼッペ・プレッツォリーニ(1882‐1982)の年譜
ベネデット・クローチェ(1866‐1952)の年譜 ほか)

著者等紹介

倉科岳志[クラシナタケシ]
慶應義塾大学大学院法学研究科後期博士課程。1975年生まれ。2003年慶應義塾大学大学院法学研究科前期博士課程修了。立教英国学院教師(1998‐2000年)。専攻はイタリア近現代史・思想史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

やまやま

8
20世紀初頭のイタリアにおけるナショナリズムの勃興を題材とする。第一次世界大戦に向けた戦争の美化、民主主義批判、ブルジョアジーによる統合原理といった社会思想の普及があったことを述べる。当時イタリアが知的な意味で他国に遅れをとっていたことをコンプレックスと感じていた下地が感じられる。歴史哲学者クローチェと出版人ラテルツァの交わりも興味深い。本づくりや書籍の売れ行きに一喜一憂するところで、例えば日本では夏目漱石と岩波茂雄という関係を連想してしまったが、どちらにせよよく知らないことなので、もう少し調べたい。 2020/11/09

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/1389637
  • ご注意事項