内容説明
30年間師弟として親しく交わった著者が書き下ろした遠藤周作の初の本格的評伝。誕生から死の瞬間まで―。未公開新資料を交えて、丹念に描かれる遠藤周作の世界。
目次
女運
母と息子―大連
劣等生―神戸・西宮
契約と裏切り
仁川・経堂
リヨン留学―『作家の日記』から
フランソワーズ
五十八歳・郁―もう一枚の写真
秘密―『沈黙』とフランソワーズ
狐狸庵顛末―『侍』へ
宗教的情熱、または老いの祈り―『スキャンダル』
最後の長篇まで―時代小説と『深い河』
成就と喪葬
著者等紹介
加藤宗哉[カトウムネヤ]
作家。1945年生れ。慶應義塾大学経済学部卒。慶應義塾大学文学部非常勤講師、東京工芸大学芸術学部非常勤講師。1997年より「三田文学」編集長。学生時代、遠藤周作編集の「三田文学」に参加、同誌に載った小説が「新潮」に転載され、作家活動に入る(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ワッツ
4
著者と遠藤の三十年の交流を読んでからの評伝。エピソードはだいたい踏襲しているが、評伝なのでさらに突っ込んでいる。やはり母、郁なのだ。マザコン周作の人生はそれで彩られている。フランスの彼女との話も詳しい。晩年の記述を読むのは、やはり心苦しい。でも、遠藤の身近なところを知れて嬉しい。しかし遠藤は言うだろう、それだけじゃないぞ、と。著者も遠藤が帰天した年齢に達した今、改めて色々と遠藤との思い出を知りたい。2018/12/29
matsumoto
1
変態くらい遠藤周作好きか2017/01/12
大岩 雄二郎
0
遠藤周作の小説を読むとどうしてもユングを感じざるを得なかったのだが、この本を読み、それが間違いではないことが分かった。というか相当結びつきが強いことが確認できた。2013/11/09