内容説明
「一九八〇年代」を語る際に、いわゆるニューアカなどの「知のモード」の影響が過度に重視される傾向があるが、八〇年代の特異性は、むしろ、“戦後”を真に脱却しつつあったこの時代の混沌のエネルギーが抑圧から解放され花開いた“バブル文化”(ストリート文化、大衆文化)にこそ見出される。本書では、一九八四年~八六年の間に、日本社会が“バブル文化”期に移行するとのテーゼのもと、その前/後の政治・経済状況にも目を配り、いまだ語られずにいる「八〇年代」の特殊性を浮き彫りにする。
目次
序章 超越の消失―一九八〇年代の歴史的位相
第1章 原宿―「八〇年代」若者の祝祭空間
第2章 “バブル文化”の予兆―「八〇年代」若者の編成
第3章 「いまは、ココ!」の闘い―八〇年代の“中心と周縁”
第4章 “バブル文化”のしあわせ探し―「おたく」と「渋カジ」の分水嶺
第5章 ドラマの変貌―都市のBGM,街の語り
第6章 「楽しくなければ、テレビじゃない!」―とんねるずとフジテレビの時代
終章 抑圧からの解放―“戦後の終わり”としての八〇年代
著者等紹介
原宏之[ハラヒロユキ]
明治学院大学教養教育センター助教授。1969年生まれ。パリ第10大学人文科群博士課程中退。学術修士。日本学術振興会特別研究員(東京大学)・東洋大学等非常勤講師(2001‐2002)を経て、明治学院大学専任講師(2002年)。2005年より現職。専攻は、教養(表象メディア論・言語態分析)および比較思想史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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