内容説明
本書は、1650年から1750年頃のドイツの音楽理論書のなかから、器楽に関する記述を包括的に研究したものである。とくに、器楽のさまざまな種類とそれらの特徴がどのような体系で捉えられていたかという問題(タイポロジーの問題)と、各種類にあてがわれた名称の問題(ターミノロジーの問題)の解明に焦点を当てている。本研究は、徹底した資料調査により音楽に関する歴史的用語の語義と諸概念の意味連関を、歴史的脈絡から捉え直そうとするものである。
目次
序論 本研究の課題と方法
第1章 「声楽」と「器楽」
第2章 「高い」音楽と「低い」音楽
第3章 社会的機能
第4章 国民的・民族的・地域的音楽タイプ
第5章 作曲技法
著者等紹介
佐藤望[サトウノゾミ]
慶應義塾大学助教授。1992~1996年東京藝術大学博士課程、1994年~1996年ドイツ・ボーフム大学博士課程を経て、1996年東京藝術大学助手、1999年より慶應義塾大学専任講師。2002年より現職。2005年、東京藝術大学より、博士(音楽学)を授与される。研究分野は、とくに17~18世紀のドイツ音楽史。ドイツ音楽史、音楽理論、鍵盤演奏法に関する学術論文がある。近年は、音楽教育、大学教養教育、芸術運営の諸問題に関わる研究にも携わっている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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