記憶を紡ぐアメリカ―分裂の危機を超えて

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  • サイズ B6判/ページ数 325,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784766411584
  • NDC分類 253
  • Cコード C3030

内容説明

人口構成の急激な変化に直面し、貧富の差の拡大や文化戦争など、国内には二極化の危機を抱える一方で、対外的には冷戦体制の崩壊から9.11を契機とするテロとの戦いへという転換点を迎え、ナショナル・アイデンティティの再考を迫られる超大国アメリカ。本書では、「マイノリティ」の過去をめぐる法廷闘争や歴史保存、戦争映画や大衆演劇といった「表象芸術」にみる記憶表現、さらにはワシントンD.C.やニューヨークなどの「コミュニティ」における共通記憶の実態から民主主義の強度を分析。記憶の創出をめぐる多様な分析から、みずからの過去と真摯に向き合い、集団的記憶の再構築に挑む、超大国アメリカの課題を浮き彫りにし、その行方を問う。

目次

序論 記憶と未来―二一世紀アメリカの動向をどう読み解くか
第1部 マイノリティをめぐる過去の清算(奴隷制度補償運動―謝罪、賠償、記憶;生まれ変わる古戦場―カスター神話の解体と先住インディアンの記憶の復権)
第2部 記憶装置としての映画と演劇(アメリカ映画史にみる戦争の記憶;舞台が再構築するアメリカ・インディアンの表象)
第3部 アメリカン・デモクラシーの行方(ワシントンD.C.における土着文化―自治権と黒人の差別問題をめぐって;デモクラシー、暴力、イノセンス―テロの時代における記憶の民主化と愛国主義)

著者等紹介

近藤光雄[コンドウミツオ]
慶応義塾大学経済学部教授。1943年生まれ。慶応義塾大学文学部卒業(1966年)後、ジョージ・ワシントン大学大学院博士課程修了。Ph.D.(1986年、アメリカ研究)。専攻はアメリカ研究、日米交流史、英語教育

鈴木透[スズキトオル]
慶応義塾大学法学部教授。1964年生まれ。慶応義塾大学大学院文学研究科英米文学専攻博士課程修了(1992年)。専攻はアメリカ文化研究、アメリカ文学

エインジ,マイケル・W.[エインジ,マイケルW.][Ainge,Michael W.]
慶応義塾大学経済学部助教授。1961年生まれ。コロンビア大学大学院博士課程修了(1992年、東亜言語文学)。専攻は比較文学、比較映画、文化研究

奥田暁代[オクダアキヨ]
慶応義塾大学法学部助教授。1966年生まれ。ノースカロライナ大学チャペル・ヒル校英文科博士課程修了(1995年)。専攻はアメリカ文学、アメリカ研究、アフリカ系アメリカ文学、アフリカ系アメリカ研究

常山菜穂子[ツネヤマナホコ]
慶応義塾大学法学部助教授。1969年生まれ。日本学術振興会特別研究員を経て慶応義塾大学大学院後期博士課程修了。文学博士(2000年)。専攻はアメリカ演劇文化専攻
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