内容説明
スペインによる新大陸征服がもたらした先住民社会の変容を、村落共同体の教会堂建設にかかわる空間構造・経済活動・信仰・職人などから分析する実証研究。17世紀、ヌエバ・エスパーニャ(メキシコ)の先住民村落に出現した華麗な教会堂群に共通の刻印を押した建築様式の流れと、その建築ブームを促した社会的背景を明らかにする。ラテンアメリカの植民地美術史とエスノヒストリーの空隙を埋める試み。
目次
第1部 タラスコ地域の教会建築―美術史から(西洋美術史の中の植民地美術;タラスコ地域の教会堂;教会堂正面;木製天井)
第2部 タラスコ地域の教会建築―社会文化史から(タラスコ人と植民地統治;教会堂をとりまく空間;教会堂建設のコストとイニシアティブ;教会堂を支えた信仰と病院制度;技術と職人)
著者等紹介
横山和加子[ヨコヤマワカコ]
1978年東京外国語大学スペイン語科卒業。1991年筑波大学大学院博士課程歴史・人類学研究科単位取得退学。2002年筑波大学より博士号(文学)取得。現在、慶応義塾大学商学部教授
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