内容説明
現代中国研究における知的陥穽を克服するためにも、もういちど文革時代の知的状況のありようを洗いなおしてみる必要がある。それがあってはじめて、文革を「歴史」として研究し分析できるのであり、大きくいえば現代中国研究自体の再生が可能なのではないか…。未完のテーマ、文革をいま解き明かす。
目次
「歴史」としての文化大革命
第1部 文化大革命の起源と論点(文化大革命の起源;北京大学における文化大革命の勃発;文化大革命における政治的葛藤と社会矛盾―三つの対立)
第2部 中央における文化大革命(政治権力闘争の展開と軍指導権の掌握;文化大革命と人民解放軍の近代化―軍事訓練にみる軍の機能維持;文化大革命期の核開発;文化大革命と外交システム)
第3部 文化大革命の拡散(文化大革命と民主諸党派の命運;プロレタリア文化大革命と労働者;造反派組織の連携と対立―国務院第一軽工業部における档案強奪事件を中心に;広東における文化大革命の展開と地方主義;内モンゴルの文化大革命とその現代的意味)
著者等紹介
国分良成[コクブンリョウセイ]
1953年生まれ。慶応義塾大学大学院法学研究科政治学専攻博士課程修了(法学博士)。現在、慶応義塾大学法学部教授兼地域研究センター所長。この間、ハーバード大学、ミシガン大学、復旦大学、北京大学、台湾大学で客員研究員を歴任
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