内容説明
1990年度から継続的に行ってきた降水試料の測定結果をもとにした、首都圏の酸性雨の実態を解明。2000年以降、継続的に起こっている三宅島の火山活動によって、首都圏の降雨にはどのような影響が出ているかについても言及。酸性雨の問題ばかりでなく、長期間継続して行われることに重要性を帯びる環境モニタリング。国や地方自治体による環境モニタリングに限界が見られるなか、それを補完する効率的・長期的なモニタリング活動の実例を提示。12年間にわたる降水試料のpH、導電率、化学イオン成分などの測定データをCD‐ROMとしても付与。
目次
1 酸性雨の歴史と生成機構
2 降水、乾性降下物試料の採取地点、採取分析方法および試料データの評価方法
3 降水中化学成分の地域特性
4 降水中化学成分濃度のpHに対する寄与
5 気象条件の降水中化学成分濃度に対する影響
6 首都圏の酸性雨に対する三宅島噴火活動の影響
7 降水中化学成分濃度の長期的動向