内容説明
漢字の成り立ちを、文字学研究の第一人者、白川静氏の説に基づき分かりやすく説いてブームを巻き起こした入門編「白川静さんに学ぶ漢字は楽しい」。本書ではよりバリエーション豊富に、漢字にひそむ隠された意味や関連性を、解き明かす。漢字には本当は怖い意味がたくさんあるのだ。
目次
「王」をめぐる漢字
「而」をめぐる漢字
「微」をめぐる漢字
「由」をめぐる漢字
「主」をめぐる漢字
「夭」をめぐる漢字
「女」をめぐる漢字
「帚」をめぐる漢字
「力」をめぐる漢字
「委」をめぐる漢字〔ほか〕
著者等紹介
小山鉄郎[コヤマテツロウ]
1949年群馬県生まれ。一橋大学卒。73年共同通信社入社。川崎、横浜支局、社会部を経て、84年から文化部で文芸欄、生活欄などを担当。現在、同社編集委員兼論説委員。国の認定NPO法人・文字文化研究所理事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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磁石
21
「方」の字は、門前などに吊るした死体を表している。こうすることで共感呪術が発現し敵よけになる……との説明。オーバーキルしてヘイトを稼ぎまくることは一見、復讐の危険極まりない行為。が、死霊の動き/まずオーバーしたダメージを回復しようとする生理作用?を把握していれば、これ以上ない盾になるのだろう。一時的に拷問者に力を与えてしまう、周囲の生きた人間にどうにかして助け出さなくてはならないと思わせる/そんな所業をした奴は怖いと錯覚させることで、太らせ油断させて真に同じ目に遭わせるために。呪いの盾2017/09/17
em
20
円城塔『文字渦』の渦に(文字通り)巻き込まれて漢字の成り立ち本に手を出してみたのですが、白川静がいかにユニークであったかが改めてよくわかった。たとえば他書では「口」の形とされているものの多くが、白川説では「サイ」(祝詞を入れる器)と解される。このことに象徴されるように、呪術的な事象を重視する”白川文字学”は、やはり彼自身のイマジネーションによるところが大きいのかもしれない。でも考えてみれば、私の好きな学者は皆そう。深い知識をもってその世界で遊び尽くした人たちの頭の中を覗くのは、この上なく楽しい。2019/04/27
ラグエル
8
つくづく、口(サイ)の発見って、でかいよなあ。中国人すら置き去りにするこの研究センス、凄い。笑とか、白とか、言とか、フツウにあり得ない感覚。古代中国のイメージが一新すると言われたのも納得する。2011/07/06
あやめ
7
笑←なるほど、手を上げて踊ってる人に見える。三千年以上の時を越えても通じるのは確かに凄い。2009/10/20
魚京童!
6
道に志し、徳に拠り、仁に依り、芸に遊ぶ2014/01/26