感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
わいほす(noririn_papa)
8
美しい料紙だからこそ美しいやまとことばが生まれたのではないか、そんなふうに思える和紙と文字の文化が育まれた平安の都。当時の人々がどのように和紙を愛でて活用したか、今もその面影が残る京都の場所を訪ねながら、その中心であった紙屋紙を語る一冊。清少納言や紫式部が目を輝かせて彩り美しい料紙を選び、書をしたためる姿が目に浮かぶよう。草木と清流から生まれ職人が丹精込めて作った和紙の文化。それが時代を超えても日本人の心に受け継がれていることを、この本の装丁が伝えてくれる。(以下、コメントに続く)2017/11/28
ちいくま
4
目からウロコな「紙」の本。確かに平安時代とか、文のやりとり等で紙の色や素材のセンスを問われたって習ったような気がするけど、現代の文房具屋さんに並んでるレターセットや和紙を想像して納得してたよね。ここまで丁寧に当時の紙について説明してあると、やっぱりカラーの口絵とか見たいと思います。表紙の題字も好き。2016/08/19
紫暗
2
平安時代に使われていた紙について詳しく書かれている一冊です。平安時代の文化について説明してある資料はよく見かけますが、紙だけに注目した本は他に見たことがないので、貴重だと感じました。タイトルだけだと専門的な感じがしますが、内容はわかりやすい文章で文学作品などを引用し、図版も多く、予備知識がない人でも気後れせずに読めるようになっていました。参考文献の一覧も丁寧で、気遣いの行き届いた一冊だと思います。2013/11/12