内容説明
フランスの社会学者夫妻による、ブルデュー社会学バンドデシネ。
著者等紹介
パンソン,ミシェル[パンソン,ミシェル] [Pin〓on,Michel]
元フランス国立科学研究センター研究部長(パリ第8大学)
パンソン=シャルロ,モニク[パンソンシャルロ,モニク] [Pin〓on‐Charlot,Monique]
元フランス国立科学研究センター研究部長(パリ第8大学)
モンテーニュ,マリオン[モンテーニュ,マリオン] [Montaigne,Marion]
1980年、レユニオン島サン=ドニ生まれ。BD作家。科学マンガに定評があり、仏独テレビ局arteでアニメ化されている
川野英二[カワノエイジ]
大阪市立大学文学研究科教授。都市・社会政策の社会学
川野久美子[カワノクミコ]
フランス語通訳・翻訳(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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アキ
86
フランスの金持ちへのエスプリの効いた社会風刺的バンド・デ・シネ。原案者ミシェル・パンソンとモニク・パンソン夫妻をそのままキャラクターにして通りがかりのさえない男を金持ちにしたてあげ、いかに金持ち連中が経済資本だけでなく、文化資源も家族資源も象徴資源も継承しているかを見せつけて、構造的に支配関係が完成していることを示す。ブルデューの社会学からトマ・ピケティに至るまでフランスの社会学は特にこの構造的問題に敏感なように思える。じゃあ結局どうするの?「つまり、連帯・組織・団結!」ってそれじゃあ変わらないじゃん!2021/03/12
くさてる
18
フランスの社会学者による、ブルジョワとは何か、文化資本と富裕層の関係、社会的不平等についてのバンドデシネ。フランスの富裕層とはどういうものか、そこから生まれる不平等と新自由主義の関係まで分かりやすく語られていて面白かったです。2020/10/24
Shun'ichiro AKIKUSA
3
注はついているが、フランスのレアリアによっぽど通じていないとさっぱりわからない。日本人の漫画家を雇って、全部日本に置き換えて描きなおさないと厳しい。ブルデューをそのまま読んだ方がいいと思う。2020/11/23
Kyohei Matsumoto
2
ちょっと読みにくいフランスのマンガだが、非常に大事なことが書いてある本だと思う。リッチということについて、リッチというのはお金を持っているというだけじゃない。趣味嗜好、人間関係、支配力あらゆる点において、庶民とは違うのだ。お金はお金持ちのためにあって、庶民はそのおこぼれをもらうだけの存在。支配されるだけ。リッチな人々は政治すらも自分たちの都合のいいようにコントロールしている。庶民に必要なことは団結だ、というメッセージがある。正直今の日本とかなり近い。山本太郎がいつも言っていることのような気がしてならない。2021/05/10
kentaro mori
2
格差は再生産される。こうした本が、大衆芸術である漫画として出版されるということ自体に意義がある。●現実は運次第なんだ。「運」は、それぞれの所属階級で受け継がれる2020/11/28