内容説明
まちの持続可能な経済循環は、地域資源を活かした課題解決に取り組む事業者や行政と、受け身の体制を脱し創造的な支援や連携を目指す地域金融機関の協働から生まれる。本書では各地の意欲的なプロジェクト11事例を取り上げ、背景にあるキーパーソンやステークホルダーの関係性を紐解き、事業スキームのポイントを解説する。
目次
プロジェクト紹介編(地域資源を発掘・活用する;地場産業の新展開に伴走する;次世代の担い手に投資する;域内の経済循環を促進する;持続的な観光基盤をつくる)
金融トピックス解説編(金融機関とプロジェクトファイナンス;金融機関の経営;金融機関による融資;金融機関とフィンテック;金融機関による事業者支援)
著者等紹介
山口省蔵[ヤマグチショウゾウ]
株式会社金融経営研究所所長。2018年に金融機関向けのコンサルティング会社として同社を設立。「熱い金融マン協会」を主宰。元・日本銀行金融高度化センター副センター長。日本銀行在職中は、金融機関職員向けに新たな事業金融手法に関するセミナー等の企画を担当した
江口晋太朗[エグチシンタロウ]
株式会社トーキョーベータ代表取締役。編集者、ジャーナリスト、プロデューサー。各地の地域プロジェクトの取材・執筆経験多数。金融庁や信用組合関係者で構成する「シビックエコノミーと信用組合の新しい関係に関する研究会」メンバー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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aun
1
収益環境が厳しさを増す金融機関も、こういった地域とのつながりを使って次の時代を切り開くことができるのは新鮮だった。応援しています。2021/01/26
fuknish
0
地方金融機関や行政、事業主体などが一体となって地方創生に取り組んだ事例集。いくつか自分の聞いたことある事例もあったけど、どういうプレイヤーがどういう動機、立ち位置で参画していたとか、どこで収益をあげるとかスキームをあまり知らなかったので勉強になった。 事例の中では行政による広域連携が効果を奏した瀬戸内DMOの取り組みや、第一勧業信用組合のリレーションシップキャピタルのような考え方が特に興味深かった。2023/02/22
風尾 発三郎
0
本気の人々の手にかかれば、困難も乗り越えられるようだ。凄い! ポイントは、今、どんな資産があるか(人、モノ、文化、厄介な物事)を整理し、どうしたいか?どんな事が出来るか?を我が事として考え、無理を有理に変える一点に集中。…金融機関や行政などが、連携して、リスクをとるって感じでしょうか? もっと縮めると、我が事として社会問題を考える人を増やす!って感じでしょうか?2020/12/10
jackbdc
0
さすが学芸出版、構成やコラムまで充実している。類似テーマのライバル書は少なくない中、間違いなく当たりの部類に入る良書だと思う。地域金融機関は生き残れるのか?というテーマに向き合った上で、地域活性の手段として本書のアプローチに行きついたとしても、正直言って前途はかなりキツイと言わざるを得ないだろう。大都市⇔山寒村、グローバル⇔ローカル、銀行業務⇔フィンテックなど抗うことが難しい多重の壁を乗り越えることが果たしてできるのだろうか?金融に留まらない、行政・住民を含めた地域全体の生き残り戦略が問われるのだろう。2020/10/16