内容説明
一般に「慣用句」と認められるものは、構成語・文法・意味の面で「固定的表現」である。しかし、日本語と英語両言語の慣用句の中には、固定度が高い「典型的なもの」から、固定度が低い「周辺的なもの」までがある。また、日本語とその他の言語の慣用句の対応関係を明らかにするために、個々の構成語の「比喩性」を比較する従来の手法のほかに、それぞれの言語において共通の意味を持つ句の使い分けを手掛かりに、個々の慣用句間の共通点・相違点を明確にする手法が有効である。
目次
第1章 慣用句とは
第2章 「陰口をきく」のか「陰口をたたく」のか―慣用句の「形式的固定性」について
第3章 「打った手」と言えるが、「染めた手」とは言えない―慣用句の「統語的固定性」について
第4章 「手を打つ」の「手」は「手を焼く」の「手」と違う―慣用句の「意味的固定性」について
第5章 日本語の慣用句と世界の言語の慣用句―慣用句の比較対策の方法(1)
第6章 日本語と英語の“怒り”の慣用句―慣用句の比較対照の方法(2)
著者等紹介
石田プリシラ[イシダプリシラ]
カナダ出身。2002年、筑波大学大学院文芸・言語研究科博士課程言語学専攻修了。言語学博士。現在、筑波大学准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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