近代文学研究叢刊<br> 織田作之助論―“大阪”表象という戦略

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近代文学研究叢刊
織田作之助論―“大阪”表象という戦略

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  • サイズ A5判/ページ数 368p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784757607996
  • NDC分類 910.268
  • Cコード C3395

出版社内容情報

織田の創作活動を、内務省検閲や、総力戦体制下の同時代状況と文学状況との関わりの中で捉え直す。織田文学を新視点で読み解く論集。1938年から1946年までのおよそ9年間にわたる織田作之助の創作活動を、内務省検閲や総力戦体制下の同時代状況と文学状況との関わりの中で捉え直し、織田文学の再定位を試みる。大阪という土地がいかなる論理のもとに虚構化されたのか、また、方言としての大阪弁は作家にいかに認識されていたのか。そして、現実の大阪が戦禍に見舞われたのちに作家は何を描けたのか――。織田の地域表象の戦略的な意図を明らかにする。


序 章 大阪表象を問う意味                
第一章 昭和期の内務省検閲―織田作之助の出発期―
  第一節 内務省検閲を支える諸側面                 
  第二節 「風俗壊乱」の境界線                    
  第三節 アジア太平洋戦争下における内務省検閲の展開         
  第四節 「露骨」「暴露的」「猥雑」―織田の著作への処分―       
第二章 『夫婦善哉』論―発見された〈大阪〉の内実―
  第一節 誤読する蝶子としっかり者の柳吉   
  第二節 都市イメージの転倒
  第三節 祈る女と都市の「奥」
  第四節 『夫婦善哉』の〈大阪〉性               
第三章 『夫婦善哉』の周辺
  第一節 文藝推薦受賞の余波                      
  第二節 『続夫婦善哉』の執筆時期
  第三節 『続夫婦善哉』の同時代性
  第四節 別府の位相と〈大阪〉性   
第四章 一九四〇年前後における〈地方〉・〈方言〉の概念編成
  第一節 大政翼賛会による地方文化運動               
  第二節 〈地方〉を引き受ける〈大阪〉               
  第三節 「標準語」「方言」の序列                  
  第四節 織田作之助にとっての〈大阪弁〉              
第五章 体制関与の真相―「鉱山の友」「文学報国」への寄稿を中心に―
  第一節 出版新体制―大阪の出版業界と織田作之助―         
  第二節 大阪鉱山監督局                      
  第三節 日本文学報国会への関与
   資料翻刻 織田作之助『挙措、親愛に満つ 大阪大会の成果』                 
第六章 戦略としての〈西鶴〉
  第一節 織田作之助の西鶴受容に対する評価             
  第二節 西鶴摂取の状況                      
  第三節 西鶴テクストの現代語訳                 
  第四節 『西鶴新論』への同時代評価および先行研究         
  第五節 〈俳諧的〉と〈大阪的〉                  
   大阪府立中之島図書館織田文庫蔵『西鶴新論』の参考文献
   全集未収録資料 織田作之助『大阪の性格』
第七章 『わが町』『異郷』論―土地の概念化と〈大坂〉の虚構化―
  第一節 『わが町』の成立             
  第二節 ベンゲット移民異聞            
  第三節 規範化される土地の記憶          
  第四節 〈フィリピン〉が指示すること     
  第五節 〈大坂〉の虚構化             
第八章 『世相』『郷愁』論―〈大阪〉という場の機能―
  第一節 『世相』の執筆状況            
  第二節 〈放浪〉の意味              
  第三節 鴈治郎横丁を書くこと           
  第四節 〈大阪〉を語る場             
  第五節 「注釈書」以上の意味―『郷愁』について―
第九章 〈偶然小説〉の可能性
  第一節 小説における〈偶然〉をめぐって          
  第二節 〈偶然小説〉の分析                
  第三節 参照項としてのサルトル―『純粋小説論』との差異― 
  第四節 〈偶然〉という方法             
あとがき
参考文献一覧
索引


尾崎名津子[オザキ ナツコ]
神奈川県生まれ。慶應義塾大学大学院文学研究科国文学専攻修了。
博士(文学)。
現在、早稲田大学文学学術院総合人文科学研究センター客員主任研究員。亜細亜大学、慶應義塾大学、日本大学、早稲田大学非常勤講師。
専門は日本近代文学、内務省検閲を中心とする検閲研究。

内容説明

一九三八~四六年(昭和一三~二一年)までのおよそ九年間にわたる織田作之助の創作活動を、内務省検閲や総力戦体制下の同時代状況と文学状況との関わりの中で捉え直し、織田文学の再定位を試みる。大阪という土地がいかなる論理のもとに虚構化されたのか、また、方言としての大阪弁は作家にいかに認識されていたのか。そして、現実の大阪が戦禍に見舞われたのちに織田は何を描いたのか―。織田の“大阪”という地域表象の戦略的な意図を明らかにする。

目次

序章 大阪表象を問う意味
第1章 昭和期の内務省検閲―織田作之助の出発期
第2章 『夫婦善哉』論―発見された“大阪”の内実
第3章 『夫婦善哉』の周辺
第4章 一九四〇年前後における“地方”・“方言”の概念編成
第5章 体制関与の真相―「鉱山の友」「文学報国」への寄稿を中心に
第6章 戦略としての“西鶴”
第7章 『わが町』『異郷』論―土地の概念化と“大坂”の虚構化
第8章 『世相』『郷愁』論―“大阪”という場の機能
第9章 “偶然小説”の可能性

著者等紹介

尾崎名津子[オザキナツコ]
1981年、神奈川県生まれ。慶應義塾大学大学院文学研究科国文学専攻修了。博士(文学)。現在、早稲田大学文学学術院総合人文科学研究センター客員主任研究員。亜細亜大学、慶應義塾大学、日本大学、早稲田大学非常勤講師。専門は日本近現代文学、内務省検閲を中心とする検閲研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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