内容説明
彼女たちは、何を見せてくれたのか。「ガーリー・フォト」の輝きと情熱。
目次
第1章 「女の子写真」前史―写真史の中の女性写真家
第2章 女性写真家たちの胎動―一九八〇年代から九〇年代へ
第3章 ハードウエアの進化
第4章 アラーキーとナン・ゴールディン
第5章 長島有里枝の疾走
第6章 HIROMIX登場!
第7章 『シャッター&ラヴ』の反響
第8章 アーティストとしての女性写真家
第9章 蜷川実花現象
第10章 写真における男性原理と女性原理
著者等紹介
飯沢耕太郎[イイザワコウタロウ]
写真評論家。1954年、宮城県生まれ。1977年、日本大学芸術学部写真学科卒業。1984年、筑波大学大学院芸術学研究科博士課程修了。1990‐94年、季刊写真誌『d´ej`a‐vu』を編集長として発行(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ぐうぐう
6
飯沢の前著である少女漫画を批評した新書のレビューで「ガーリーフォトブームを作った女性写真家達との関連で少女漫画を語ったほうが飯沢らしい評論が書けたのではないか」と評したが、ガーリーフォトそのものを語った本が出た。間近でブームの誕生と浸透を見てきた飯沢の批評は、やはり説得力がある。ブームの前史から語り始め、長島有里枝とHIROMIXの登場、そして蜷川実花現象から最近の梅佳代に至るまで、ガーリーフォトブームの流れが実に丁寧に解説されている。印象的だったのは、これが誰かが仕掛けたブームではなく、(つづく)2010/05/01
Koki Miyachi
2
1990年代のガーリーフォトの流れに注目、そこに至る女性写真家たちの系譜、女性を写真に近づけた時代的背景、これからの可能性も考察する。日本を代表する写真評論家として、ムーブメントに直接関わった視点を通して語られていて興味深い。長島有里枝、HIROMIX、蜷川実花らにフォーカス。自分なりにも新しい視点が持てたような気がする。2017/05/06