やりなおしサイエンス講座
なぜ生態系を守るのか?

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  • サイズ B6判/ページ数 224p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784757160279
  • NDC分類 468
  • Cコード C0045

内容説明

その場しのぎではなく、絶滅危惧種だけを守ればよいのでもない。科学的議論に基づいた生態系への処方箋を、環境保護の現場をふまえてやさしく解説。冷静かつ手遅れにならない対策とは。

目次

第1章 海は死につつあるか?―国連海洋法条約と漁業(海洋生態系と漁業;持続可能な漁業の理論 ほか)
第2章 生物を絶滅させないために―絶滅危惧種とその保全(現代は大量絶滅の時代か?;絶滅に至る三つの道 ほか)
第3章 「放置できない自然」を守る―野生鳥獣管理と外来種生物管理(ヤクシカと自然植生;ヒグマの管理 ほか)
第4章 化学物質の生態リスクとは?―化学物質の順応的管理(予防原則と化学物質;亜鉛の生態リスク ほか)
第5章 なぜ生態系を守るのか?―環境問題を総合的に考える(米国生態学会委員会の主張;「自然の権利」運動への意見 ほか)

著者等紹介

松田裕之[マツダヒロユキ]
1957年福岡県生まれ。1985年京都大学大学院理学研究科博士課程修了。日本医科大学助手、中央水産研究所主任研究官、九州大学助教授、東京大学助教授などを経て、2003年より横浜国立大学環境情報研究院・教授・理学博士。専門は生態学、環境リスク学、数理生物学、水産資源学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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yamakujira

5
帯のかわいらしいイラストに反して、しっかりと学術的な、面白味に欠ける内容だった。第1章の海洋漁業資源については、要するに乱獲を防止できるかってこと。第2章の絶滅危惧種の保護には、生息環境の保全が前提になる。第3章の獣害と外来種の問題は、人為的な管理の必要性を訴える。第4章の化学物質汚染については、プラスチックゴミの問題とも重なりそうだ。第5章が著者なりの総括だけれど、環境保護は価値観の問題に矮小化するから、先進国と途上国との対立にもなりやすく、結局は金で解決するしかないのか。 (★★★☆☆)2018/12/28

nob

3
「なぜ生態系を守るのか?」の問いに対しては、「自然の恵みを子孫に残すため」が最もコンセンサスの取れた答えだろう。だがこういうテーマには感情論が混ざりがちな気がする。自然を守るためという名目で自然の恵みを利用すること自体を否定したら本末転倒。その点で、表紙の「地球は地球のもの!」という言葉はちょっとずれている。勿論、感情も重要な要素であるとは思うし、先の問いに対する答えも一つではないのだろうが。アマミノクロウサギを原告とした裁判の背景に感情論以上のものがあったことも知らなかった。勉強が足りないと実感。2018/08/19

takao

2
ふむ2022/10/28

ひろただでござる

1
第5章が著者の主張で第1~第4がその詳細。生態系機能の低下を防ぐ(持続的利用)ためのコスト(将来的には利益)と開発に拠って得られる(現在の)利益を比べたときにどちらを選ぶか…が悩ましいところ。ヴァーツラス・クラウスが批判するように環境第1主義では人間側にしわ寄せが来る(かもしれない)。欧米で菜食主義者が増えている理由としての説明が…おぉ~そうだったのか(!?)奴らは…2018/08/13

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