NTT出版ライブラリーレゾナント
トランス・サイエンスの時代―科学技術と社会をつなぐ

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  • サイズ B6判/ページ数 288p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784757160187
  • NDC分類 404
  • Cコード C0040

内容説明

“専門家にお任せ”から“社会との対話”へ。科学技術が答えられない問題にどう取り組むか。市民との協働の可能性を探る。

目次

第1章 科学技術と社会のきしみ
第1章 なぜいま科学技術コミュニケーションなのか
第2章 対話型コミュニケーションを求めて
第3章 風景の変容と行動スタイルの変化―一九七〇年代とは何だったのか
第4章 トランス・サイエンスの時代
第5章 協働するしくみの模索
第6章 “関与”を意思決定につなぐ―北海道のコンセンサス会議
終章 トランス・サイエンスの時代の人文・社会科学

著者等紹介

小林傳司[コバヤシタダシ]
1954年生まれ。東京大学大学院理学系研究科博士課程単位取得退学。南山大学人文学部教授を経て、大阪大学教授、および大阪大学コミュニケーションデザインセンター副センター長。専門は、科学哲学・科学技術社会論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ジュール リブレ

10
3-11を受けて、先端の科学だったはずの原子力=優秀な学者さん、の、意外なほどの抜け具合が、明らかになった。 いや、知る人ぞ知るだったのかもしれないが、見付きもしなかった自分たちがいて、これからどうしたら良いのか?考えさせられる本。 でも、考えてるだけじゃなくて、本当は、動かなきゃいけないね。まずは一歩。2012/02/07

Moloko

4
科学技術の研究やその応用をどう社会に位置付けて調和させていくのかという議論は近年のAIやロボット、バイオテクノロジー分野で説かれているが、雇用や経済成長等の経済的な話ばかりで、法律や倫理の話はあまり活気ではない。本書では、イギリスや日本のBSE問題やもんじゅ裁判を取り上げて、自然科学者だけでの専門的な答申や裁判官による高度な科学技術の論点を含んだ裁判の限界を示して、市民参加や討議によるコンセンサス会議の可能性と課題を論じている。ただ今の討議民主主義等で言われるように市民の討議と政治決定の間の障壁はある2017/09/27

なさぎ

2
10年以上前の本だけれど、コロナ禍の現在「トランス・サイエンス」は改めて注目すべき視点だ。「コンセンサス会議とは市民参加型テクノロジー・アセスメントの一つの手法に過ぎない」(180)ともある通り、2020年には2020年なりの「市民参加」の形があるはず。スマホとSNSの発達は大小無数の「議論」の場をもたらしたものの、それが「市民参加」として適当かというとやや怪しい。現代的なコミュニケーションの形を捉え、科学技術と社会のあり方について今一度、一人ひとりが考えていく必要がある。2020/08/19

ktytnd

2
科学技術の進歩は、それ自信によって解決できないトランス・サイエンス的な問題を引き起こしている。また市民の側も、公害問題が取り沙汰される1970年代科学技術に対して不安を抱くようになったが、生活の多くを科学技術に負っている。本書は両者を繋ぐためのさまざまなプロセスをあげているが、まだ模索が続いているように思われる。それでも3/11のことを考えれば、この模索は続けなければならないと思う。2014/06/15

kaznko_o

1
科学技術だけでは解決し得ない領域を「トランス・サイエンス」と定義し、BSEや原子炉を巡る問題を例に取り、科学者と一般市民との対話の必要性を説いた著作。 コロナ禍もトランス・サイエンス的課題であると感じた。BSEや原発事故によって、高まった科学技術に対する不信感は、現在の政府の対応に対する不信感にも通じている様にも思える。「COVID-19は風邪」など根拠のない論考も流布しているのが現状だが、一般市民に対して、研究者・専門家は科学技術の限界と同時に、有効性も伝えながら、対話していく必要があると改めて感じた。2020/07/17

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