マンガと映画―コマと時間の理論

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  • サイズ A5判/ページ数 470p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784757143210
  • NDC分類 726.1
  • Cコード C0095

出版社内容情報

マンガにとって映画とは?

これまでのマンガ研究では、映画との比較研究はあっても、映画学で用いられている言葉を導入しただけで、マンガにおける表現の本質を突くまでは至っていない。
従来の「マンガと映画の比較」ではなく、「映画的手法」という言葉がなぜマンガ研究で多用されるのか、その背景と思想を探ることで、マンガと映画を貫く視座を打ち出す。マンガ研究を超え、現代視覚文化論へと至る道を切り拓く。

序 章 マンガはどこにあるか

第1部 媒体・様式・体系
第1章 メディウム・スペシフィシティ
第2章 メディウムからスタイルへ
第3章 手法からシステムへ

第2部 戦後日本マンガにおける映画的様式
第4章 空間のリアリズム
第5章 物語と編集
第6章 フレームと視線

第3部 近代マンガの時間
第7章 運動
第8章 時間
第9章 コマ

【著者紹介】
1986年生まれ。学習院大学大学院人文科学研究科身体表象文化学専攻博士後期課程在学中。専攻は身体表彰文化学専攻/表彰文化学(マンガ研究、映画研究)。

内容説明

「マンガと映画は同時代文化である」ガチな理論と柔軟な感性の衝突が生んだマンガ批評の超新星!

目次

マンガはどこにあるか
第1部 媒体・様式・体系(メディウム・スペシフィシティ;メディウムからスタイルへ;手法からシステムへ)
第2部 戦後日本マンガにおける映画的様式(空間のリアリズム;物語と編集;フレームと視線)
第3部 近代マンガの時間(運動;時間;コマ)
結論にかえて―近代の半神

著者等紹介

三輪健太朗[ミワケンタロウ]
1986年生まれ、長野県松本市出身。東京大学文学部哲学専修課程卒業。学習院大学大学院身体表象文化学専攻博士前期課程修了。現在、同博士後期課程在籍。日本学術振興会特別研究員DC(2012~13年度)。東京工芸大学マンガ学科非常勤講師(2013年度~)。『マンガと映画―コマと時間の理論』が初の単行本となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

しゅん

16
今まで近似性が指摘されてきたマンガと映画という二つのジャンルの関係を捉えなおす研究書。過去の言説を整理しつつ、マンガにおける「映画的」とはどういうことかを、論理で捉えきれない断言は(研究なので)避けつつ、慎重を重ねながら最大限のジャンプを試みた一冊。鍵となるのはマンガ用語でも映画用語でもある「コマ」という言葉で、コマの定義の違いにこそ、二者の違いと共通性が現れる。「永遠」から切り離されて「時間」と生きるしかないという感覚を捉えている点で、両社は共に「近代」の産物だと本書は(著者の実感を伴いつつ)結論する。2022/07/13

とんび

3
今までの漫画表現論の総括的内容で、それ故図版は孫引きが多い。 悪く言うと重箱の隅つつきだが、残ってたものは結構ボリュームもあり美味かった。これで次のお重を開けそう。2014/04/09

元素53

2
石橋を渡る前にあらゆる角度から何度も叩くがごとき序章にくらくらしつつも大量のマンガ・映画論を引きながらマンガと映画の近代性に集約、展開していくさまにギュンギュンしました。おもしろかった…!実はマンガ論は愚かマンガすら頻繁に読まないのですがメディア比較論として興味深く読めただけでなく基本的な論を概観できたのも良かったです。2021/06/07

Ryan Mihawk

2
この本で語られてることすべてを理解するのは勉強不足ゆえ無理だったが発見は多くあった 映画とかマンガとかアニメとかそういうわけのわからない幻想みたいなものに魅了され続けて久しいわけだけどただ好きだからとか面白いからみたいな理由だけで向き合い続けてはいけない もっと様々なことを学ばなくてはと読みながら何度も思った2014/08/10

アニッチャー

2
著者の批評──今日マチ子論(「ユリイカ」)と『風立ちぬ』論(「文学金魚」)──が素晴らしかったので読んでみた。映画との比較(近さ)においてマンガ表現の特性を明らかにしたうえで、表現論では不問にされてきた前提──マンガと映画の表現が機能することを可能にする歴史的条件とは何か──を問うていく。精緻な論理展開にも舌を巻いたが、視覚文化をめぐる個別的な論点で勉強になることが多かった。これが修士論文とは…。批評での今後の活躍に期待したくなる論者。岩本ナオ論とか書いてくれないかな。 2014/05/21

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