啓蒙思想2.0―政治・経済・生活を正気に戻すために

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  • サイズ B6判/ページ数 488p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784757143197
  • NDC分類 115.3
  • Cコード C0030

出版社内容情報

ゆっくり、じっくり考えよう ファスト社会からの脱却

いまや西洋世界は〈右翼と左翼〉ではなく、〈狂気と正気〉に分断されている。民主主義や市場経済といった近代社会の礎が危うくなってきている。状況を打開するためには、〈啓蒙思想〉の再起動が必要だ――旧来の啓蒙思想の行き詰まりを保守主義の再評価や認知科学・行動経済学などへの参照を通して反省し、理性と直感、知と情を束ねる新たな世界観を提示する。気鋭の哲学者の渾身の1冊。

序章 頭vs心

第1部 古い思考、新しい思考
  第1章 冷静な情熱 理性――その本質、起源、目的
  第2章 クルージの技法 あり合わせの材料から生まれた脳について
  第3章 文明の基本 保守主義がうまくいく場合
  第4章 直観が間違うとき そして、なぜまだ理性は必要か
  第5章 理路整然と考えるのは難しい 新しい啓蒙思想の落とし穴と課題

第2部 不合理の時代
  第6章 世界は正気をなくしたか ……それとも私だけ?
  第7章 ウイルス社会 心の有害ソフト
  第8章 「ワインと血を滴らせて」 現代左派の理屈嫌い
  第9章 走れ、フォレスト! 常識保守主義の台頭

第3部 正気を取り戻す
  第10章 砲火には砲火を あるいは、なぜブタと闘うべきではないのか
  第11章 もっとよく考えろ! その他の啓蒙思想からの無益な助言
  第12章 精神的環境を守る 選択アーキテクチャーの再考
  第13章 正気の世界への小さな一歩 スロー・ポリティクス宣言

エピローグ

謝辞
原註
訳者あとがき
索引

【著者紹介】
1967年カナダ生まれ。トロント大学教授(哲学・公共政策・ガバナンス)。著書に『ルールに従う』、『資本主義が嫌いな人のための経済学』などが、共著書に『反逆の神話』(すべてNTT出版)などがある。

内容説明

理性はどこでねじれたのか?メディアは虚報にまみれている。政治は「頭より心」に訴えかける。真実より真実っぽさ、理性より感情が優る、「ファストライフ」から脱け出そう!スロー・ポリティクス宣言。

目次

第1部 古い心、新しい心(冷静な情熱―理性‐その本質、起源、目的;クルージの技法―あり合わせの材料から生まれた脳について;文明の基本―保守主義がうまくいく場合;直感が間違うとき―そして、なぜまだ理性が必要か;理路整然と考えるのは難しい―新しい啓蒙思想の落とし穴と課題)
第2部 不合理の時代(世界は正気をなくしたか―…それとも私だけ?;ウイルス社会―心の有害ソフト;「ワインと血を滴らせて」―現代左派の理屈嫌い;フォレスト、走って!―常識保守主義の台頭)
第3部 正気を取り戻す(砲火には砲火を―あるいは、なぜブタと闘うべきではないのか;もっとよく考えろ!―その他の啓蒙思想からの無益な助言;精神的環境を守る―選択アーキテクチャー再考;正気の世界への小さな一歩―スロー・ポリティクス宣言)

著者等紹介

ヒース,ジョセフ[ヒース,ジョセフ] [Heath,Joseph]
1967年カナダ生まれ。哲学者。ユルゲン・ハーバーマスとチャールズ・テイラーに学ぶ。現在、トロント大学教授(哲学・公共政策・ガバナンス)。専門書から一般読者向けの本まで幅広い著書がある

栗原百代[クリハラモモヨ]
1962年東京生まれ。翻訳家。早稲田大学第一文学部哲学科卒業。東京学芸大学教育学修士課程修了(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

koke

11
ざっと再読。ハイトはもっぱら事実を語るが(人間は直感で動いている)、ヒースは当為を語る(それでも理性的であらねばならない)。だから、同じくらいユーモアに満ちているのにヒースの本には悲壮感がある。「理性は一種の社会事業(プロジェクト)」というくだりには、師であるハーバーマスを引き継ごうという意志が感じられる。2023/02/26

ほしの

4
啓蒙主義≒合理主義、理性がいったん失脚して、保守派≒直感や素朴さが台頭するが、直感は認知バイアスのため系統的に誤る。なのでもう一度、理性的に考えようと流れ。時間をかけてゆっくりと考えようというスローポリティクス宣言。いろいろメモしながら読んだ。よくわかっていない点多数。文庫本買って読み直すかも2022/01/23

つっきー

4
以前読んだ『社会はなぜ右と左に分かれるのか』に批判的な立場で、理性に限界はあってもそれでも理性は大事なんだ……という本(と理解)。保守派と宗教にちょっと厳しい笑。人がもっと理性的に考えられるように助ける社会を作ろう、というのは広告に関わってきた身としては魅力的なアイディアではあるんだけど行き過ぎず実現させるためにはどうしたらいいんだろうか……🤔2021/09/15

tkdmsk

4
現在の政治状況は、事実や合理性をもとに議論を行うより、プロパガンダ手法を用いて強い感情を引き起こすことによって動いている。広告から政治に転用された感情に訴える技術や、なぜ理性に基づき行動することは難しいかを心理学や生物学、行動経済学の知見から解説していく。そして、理性の復権を目指すことを「啓蒙思想2.0」と名付け、賃金の下方硬直性に対するインフレの役割やLサイズのソーダ販売禁止法案などを例に取り、法や制度の改善による戦略を提案する。2014/11/23

スミレ雲

3
【図書館本】『人間の解剖・・・』のおすすめから借りて読んだ。heathさんは面白い人。カナダ人。ヒューリスティックな考え方、よくしてしまってます。2019/11/17

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