少女マンガの表現機構―ひらかれたマンガ表現史と「手塚治虫」

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  • サイズ A5判/ページ数 330p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784757143142
  • NDC分類 726.1
  • Cコード C0095

出版社内容情報

手塚治虫研究の中でも十分に論じられてこなかった「少女漫画作品」の詳解をとおして、これまでの少女漫画研究に新たな視角を与える。

手塚治虫研究の中でも十分に論じられてこなかった「少女マンガ作品」の詳解をとおして、手塚を通じて体系化してきた日本のマンガ研究の枠組みがもつ「問題」を鮮やかに示す。これまでの少女マンガ研究に新たな視角を与え、マンガ論・マンガ史を更新する。

序 章
第一章 手?怩フ少女マンガ作品はなぜ語られないのか――先行研究の検討
 0 「マンガ観」をめぐる問題としての「定義」と「起源」
 1 手?恷。虫研究に関する批判的検討
 2 少女マンガ論に関する批判的検討
 3 『リボンの騎士』に関する先行研究の検討
 4 本書における問題設定
第二章 『リボンの騎士』における表現の機構
 0 本章の目的
 1 『リボンの騎士』における性別の描き分け
 2 マンガにおける登場人物の構成
 3 サファイヤの描き分けに見る登場人物の構成
 4 登場人物の「内面」の構築
 5 『リボンの騎士』における「内面」の描写
第三章 手?恷。虫における少女マンガ作品――『ナスビ女王』『エンゼルの丘』分析を中心に
 0 前章までの議論の整理
 1 『ナスビ女王』における登場人物の描写と「内面」の構築
 2 『エンゼルの丘』における登場人物の描写と「内面」の構築
 3 『双子の騎士』とリメイク版における内面の描写
第四章 手?怦ネ降のマンガ作品を論じるために
 0 「マンガ」を論じる上での課題と展望
 1 「手塚治虫のマンガ」を論じるために
 2 「少女マンガ」を論じるために
 3 「マンガ」を論じるために
 4 本書のまとめ

【著者紹介】
1978年生まれ。相模女子大学学芸学部メディア情報学科専任講師。専門はマンガ研究、メディア論。論文に「手塚治虫「リボンの騎士」における「性別越境」の両義性」(『マンガ研究』9号、日本マンガ学会)、「マンガはいかにして「 人間」 を錬成するのか?『鋼の錬金術師』 における「 身体」 と「内面」」(『ユリイカ』2010年12月号、青土社)がある。

内容説明

手塚治虫の少女マンガ作品は、なぜ語られないのか?手塚治虫研究の中でも十分に論じられてこなかった「少女マンガ作品」の詳解をとおして、日本のマンガ研究に新たな視角を与える。

目次

序章 手塚少女マンガ作品をめぐる空白―本書の目的と構成(問題の所在;マンガ論における手塚の位置づけ ほか)
第1章 手塚の少女マンガ作品はなぜ語られないのか―先行研究の検討(「マンガ観」をめぐる問題としての「定義」と「起源」;手塚治虫研究に関する批判的検討 ほか)
第2章 登場人物の構成と表現の機構―「リボンの騎士」再考(「少女マンガらしさ」という前提;「リボンの騎士」における性別の描き分け ほか)
第3章 手塚治虫における少女マンガ作品―「ナスビ女王」「エンゼルの丘」分析を中心に(作品分析の視角と目的;「ナスビ女王」における登場人物の描写と「内面」の構築 ほか)
第4章 「マンガ」を論じるために―課題と展望(「マンガ」を論じる上での課題と展望;「手塚治虫のマンガ」を論じるために ほか)

著者等紹介

岩下朋世[イワシタホウセイ]
1978年鹿児島市生まれ。相模女子大学学芸学部メディア情報学科専任講師。専門はマンガ研究、メディア論。2008年東北大学大学院情報科学研究科博士課程修了(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

きいち

15
ストイックに、自分が語れることを限定することで、自らの言葉を含め「マンガを語る言葉同士を出会わせ」対話の土台となろうという姿勢に、何か、「おお!マンガ論はここまできたんだ」と感じさせられる研究だった。マンガ表現をマンガ表現として語る困難に正面から向き合っていて。◇言葉と絵の連なりから物語が立ち上がるには、読者の側にも土台が要る。だから面白い作品というのはそのインフラを最大限使った作品なのだろうし、新しい表現は作者の実験と読者による「検証」という手続きを経て定着していく。何かプラグマティズムの香りがするぞ。2014/01/03

こう

4
ジェンダーを軸に非常に細かく手塚漫画を分析しています。 漫画研究の手法として非常に参考になる一冊です。

あんすこむたん

2
大塚英志や伊藤剛の手塚治虫に関する理論を元に漫画について、新しい表現・評論を目指したと言える内容。最近の作品の例として鋼の錬金術師について触れているが、なかなか的を射ているものになっている。2020/10/18

とんび

1
 手塚漫画の中の少女漫画、あるいは少女漫画の中の手塚漫画という、議論の蚊帳の外に置かれてきた部分をキッチリ清算しておこう、という本書。  内面と表象の描かれ方に着目しながら、その主要なモチーフを解体していく内容は興味深い。  漫画論は、表現論、作家・作品論などに偏ることなく、漫画表現を自然に読み解きながら作品を語れる時代となったのだなぁ。2014/05/13

りそ

0
【メモ】内面の造形方法。異なる図像を一つのキャラ人格のもとに集約させることで内面の多層化、深化を計っている。キャラ人格とキャラ図像という概念がわかりやすかった。2016/07/02

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