出版社内容情報
魔法少女アニメを女性性やジェンダーイメージの観点からとらえ、なぜ女の子たちが魔法少女に魅了されるのか明らかにする。
なぜ女の子たちは「魔法少女」に魅了されるのか?
少女が魔法を駆使して大活躍する「魔法少女」アニメというジャンルが日本では40年以上続いている。本書は、それらのアニメを女性性やジェンダーイメージの観点からとらえ、日本の女の子たちがどのように理解し、共鳴し、消費し、利用してきたのかを、社会文化的文脈をふまえた詳細な作品分析と視聴者へのインタビューにより明らかにする。
第一章 はじめに
第二章 「少女」と魔法と〈フェミニズム〉――「少女」文化における魔女
1.日本の「少女」文化――「少女」文化、カワイイ、そしてガール・パワー
2.「少女」がまとう「カワイイ」の鎧
3.1960年代から2000年代までの日本の「フェミニズム」の流れ
4.魔女と魔法――少女の魔力の表象の歴史とポリティクス
5.日本における西洋の魔女と魔法の表象
第三章 女の子向け「魔法少女」テレビアニメの表象分析 ――サリーからどれみまで(1966年から2003年まで)
1.ガール・ヒーローの不在から誕生へ
2.黎明期:正統魔女と世俗魔女――サリーとアッコ
3.「おんなの時代」期:コケティッシュ魔女とアイドル魔女――メグとマミ
4.「ポスト・フェミニズム」期 チームヒロインと母性・ケア――セーラームーンとどれみ
5.終わりに
第四章 女の子向け「魔法少女」テレビアニメに関する女性オーディエンスの理解
1.オーディエンス調査方法
2.1960年代生まれの女性視聴者――サリー・アッコ世代
3.1970年代後半から1980年代前半(昭和50年代)育ちの女性――メグ・マミ世代
4.1997、98年代生まれの少女たち――セーラームーン・どれみ世代
第五章 2003年以降の女の子向け「魔法少女」テレビアニメ
1.多様化する「魔法少女」たち
2.伝統的ヒーローに近づくガール・ヒーローたち
3.『ふたりはプリキュア』(2004~05年)――バディなふたり
4.『フレッシュプリキュア!』(2009~10年)――育児の困難と贖罪
5.『スマイルプリキュア!』(2012年~)――少女の決断、責任、自信
第六章 まとめと展望
【著者紹介】
須川亜紀子(すがわ・あきこ)関西外国語大学外国語学部専任講師。専攻=メディアとジェンダー・コミュニケーション学、文化研究。共著書に『World Cinema5 特集:キアヌ・リーヴス』(勉誠出版)などがある。
感想・レビュー
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