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少女と魔法 - ガールヒーローはいかに受容されたのか

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  • サイズ A5判/ページ数 296p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784757143098
  • NDC分類 778.77
  • Cコード C0036

出版社内容情報

魔法少女アニメを女性性やジェンダーイメージの観点からとらえ、なぜ女の子たちが魔法少女に魅了されるのか明らかにする。

なぜ女の子たちは「魔法少女」に魅了されるのか?

少女が魔法を駆使して大活躍する「魔法少女」アニメというジャンルが日本では40年以上続いている。本書は、それらのアニメを女性性やジェンダーイメージの観点からとらえ、日本の女の子たちがどのように理解し、共鳴し、消費し、利用してきたのかを、社会文化的文脈をふまえた詳細な作品分析と視聴者へのインタビューにより明らかにする。

第一章 はじめに

第二章 「少女」と魔法と〈フェミニズム〉――「少女」文化における魔女
 1.日本の「少女」文化――「少女」文化、カワイイ、そしてガール・パワー
 2.「少女」がまとう「カワイイ」の鎧
 3.1960年代から2000年代までの日本の「フェミニズム」の流れ
 4.魔女と魔法――少女の魔力の表象の歴史とポリティクス
 5.日本における西洋の魔女と魔法の表象

第三章 女の子向け「魔法少女」テレビアニメの表象分析 ――サリーからどれみまで(1966年から2003年まで)
 1.ガール・ヒーローの不在から誕生へ
 2.黎明期:正統魔女と世俗魔女――サリーとアッコ
 3.「おんなの時代」期:コケティッシュ魔女とアイドル魔女――メグとマミ
 4.「ポスト・フェミニズム」期 チームヒロインと母性・ケア――セーラームーンとどれみ
 5.終わりに

第四章 女の子向け「魔法少女」テレビアニメに関する女性オーディエンスの理解
 1.オーディエンス調査方法
 2.1960年代生まれの女性視聴者――サリー・アッコ世代
 3.1970年代後半から1980年代前半(昭和50年代)育ちの女性――メグ・マミ世代
 4.1997、98年代生まれの少女たち――セーラームーン・どれみ世代

第五章 2003年以降の女の子向け「魔法少女」テレビアニメ
 1.多様化する「魔法少女」たち
 2.伝統的ヒーローに近づくガール・ヒーローたち
 3.『ふたりはプリキュア』(2004~05年)――バディなふたり
 4.『フレッシュプリキュア!』(2009~10年)――育児の困難と贖罪
 5.『スマイルプリキュア!』(2012年~)――少女の決断、責任、自信

第六章 まとめと展望

【著者紹介】
須川亜紀子(すがわ・あきこ)関西外国語大学外国語学部専任講師。専攻=メディアとジェンダー・コミュニケーション学、文化研究。共著書に『World Cinema5 特集:キアヌ・リーヴス』(勉誠出版)などがある。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

佐久間なす

31
「魔法少女」というアニメジャンルがなぜ少女に愛されているのかを、女性性やジェンターイメージといった観点から考察した一冊。 「魔法少女アニメ」は、「少女たちが「大人」を自覚するための通過儀礼的な装置としての機能」を」担っているという指摘は、目から鱗でした。 『おジャ魔女どれみ』が始まった16年前から、現在放映されている『Go!プリンセスプリキュア』にいたるまで、ずっと「魔法少女アニメ」を見続けている私は、そう意味では大人ではないと感じさせられました。2015/02/10

ymartak

15
「魔法少女」作品が、それぞれの年代の女性達にどのような影響を与えてきたかを考察する論文。あくまで学術的なアプローチなので、単純に作品ファンにお勧め出来る内容ではありませんが、時代の変遷と作品が与える女性への影響について興味深く読む事が出来た。価値観や表現方法がさらに多様化している最新の状況についても、いずれ考察して欲しい。2013/10/22

サイバーパンツ

14
ジェンダーに関する観点から、サリー・アッコ世代、メグ・マミ世代、セーラームーン・ドレミ世代の三つの世代で、少女たちがどのように魔法少女を受容していたのかということを、オーディエンス調査も交え分析+多様化する魔法少女とプリキュアについてのテキスト分析というのが本書の主な内容。ジェンダー論から見た魔法少女アニメの歴史としては大変わかりやすくまとまっている。プリキュアの分析はかなり良かった割に少なかったので、今度はプリキュア全シリーズの分析と著者も気になっている海外での受容のされかたについて書いて欲しい。2016/05/27

鳩羽

8
「魔法少女」がどういう過程で肯定的に概念化されていったかから、何十年にもわたる魔法少女もののテキスト分析、オーディエンスへのインタビューなど。ジェンダー規範を女児に押し付けるものとして批判されることもあった少女向けアニメだが、本当にそれだけだったのか。ヘゲモニックなフェミニティに対して、視聴者が交渉したり解釈したり、あるいは抵抗らしきことをしていたのではないかという分析が興味深い。変身シーンを真似てみても現実ではメイクアップできないことから、フェミニティはパフォーマンスなんだと気づいていく。2013/09/04

ひとみ

6
多数派的なジェンダー規範が盛り込まれているとして批判されがちだった日本の魔法少女アニメは、当の少女たちからどのように観られていたのか。既存のジェンダー規範を再生産するだけだったのか…という研究に基づく論文。『紅一点論』など魔法少女アニメそのもののを読み解いた本も興味深く読んでいたが、それらに欠けていたものにアプローチしてくれた本がやっと出てきたことを単純に嬉しく思う。2013/09/25

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