出版社内容情報
人々が「バルバロイ=野蛮人」へと落ちる「文明の危機」を憂う、日本を代表する思想家ならではの評論集。
前著『日本という「価値」』では、現代世界が深い「ニヒリズムの淵」に立たされていることを示したが、時すでに遅く、私たちはいよいよ「バルバロイ=野蛮人」へと落ちる日が近いことを知ることとなる。
日本を代表する思想家が「文明の危機」を憂う、著者ならではの評論集。
序章 愚鈍と錯乱の時代へ
第1部 文明的野蛮の時代に
融解する政治
「国民のための政治」はあったか
独裁は民主政治から生み出される
「地方的なもの」の再生
「国民的価値」は提示されたか
欺瞞の国家
同盟という従属は終わらない
「終わらない戦後」が意味するもの
保守主義は保護主義か
逃れえない危機
震災と天罰――科学と信仰のあいだ
EU危機が示すもの
「性欲」と「食欲」と「暴力」が支配する世界
矛盾に引き裂かれるヨーロッパ
平和という危うさ
「死」の意味づけを失った戦後日本
「自由のディレンマ」と知識人の責任
思想としての徴兵制
第2部 デジャブ――立ちすくむ現代
日本の閉塞
歴史は繰り返す
民主主義の限界
哲学の復興を
終章 危機の思想を考える
おわりに
【著者紹介】
佐伯啓思(さえき・けいし):1949年生まれ。京都大学大学院人間・環境学研究科教授。著書に『経済学の犯罪』(講談社現代新書)、『日本という「価値」』(NTT出版)などがある。
目次
第1部 文明的野蛮の時代(融解する政治;欺瞞の国家;逃れえない危機;平和という危うさ)
第2部 デジャブ―立ちすくむ時代(「道路」問題の本質;「帝国主義」競争、再び;「米」相場の教訓 ほか)
第3部 危機の思想を考える(文明の危機と世界観の転換;潜在的な危機の中で)
著者等紹介
佐伯啓思[サエキケイシ]
1949年、奈良県生まれ。東京大学経済学部卒業。東京大学大学院経済学研究科博士課程単位取得。現在、京都大学大学院人間・環境学研究科教授。著書に『隠された思考』(1985年、筑摩書房、サントリー学芸賞)、『「アメリカニズム」の終焉』(1993年、TBSブリタニカ、東畑記念賞)、『現代日本のリベラリズム』(1996年、講談社、読売論壇賞)ほか多数。2007年、第23回正論大賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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壱萬弐仟縁
タイガー@津軽衆
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