出版社内容情報
「古典を読む場としての大学」の価値を取り戻すことで、これからの大学の再生はある。なぜいま、古典が大学に必要なのかを解説する。
近代の陰りとポスト・モダンの波のなかで、「大学」の理念と存在意義は崩壊した。それでも「古典を読む場としての大学」の価値を取り戻すことによって、これからの「大学」の再生はある。
近代の大学の限界を対極に描きだした2人の哲学者、ブルームとローティを重ねあわせて、なぜいま、古典が大学に必要なのかを解説する。
はじめに
序 章 大学改革の限界
第1節 「ユニバーサル化」と「グローバル化」
第2節 揺らぐ大学の理念
第1章 「ポスト・モダン」と古典 ―「大学の物語」をかたる条件
第1節 「大きな物語」の失墜
第2節 古典論の変遷
第2章 解体する大学における古典 ―A.ブルームの「大学の物語」
第1節 ブルームにとっての「本当の争点」
第2節 大学の誕生とその二度の解体
第3節 グレート・ブックスが引き出すエロスと友情
第3章 自閉する大学における古典 ―R.ローティの「大学の物語」
第1節 ローティにとっての「大学」
第2節 二つの大学批判とポストモダニズムの隘路
第3節 偉大なる文芸作品が与えるインスピレーション
第4章 対立する古典論 ―「危機」か「希望」か
第1節 接点としてのL.シュトラウス
第2節 「近代性の危機」と古典論
第3節 ブルームの新たな課題
第4節 ローティの新たな戦略
第5章 アイロニーとしての古典論
第1節 歴史主義と反歴史主義の対立
第2節 二つのアイロニー
第3節 近代民主主義の病理と古典の意義
終 章 「ポスト・モダンの大学」の彼方
第1節 新たな古典論に向けて
第2節 古典を読む場としての「大学」
第3節 「ポスト・モダンの大学」の条件
おわりに ―来るべき大学
【著者紹介】
東京大学・大学総合教育研究センター特任研究員。日本学術振興会特別研究員、京都大学高等教育研究開発推進センター研究員などを経て現職。共著書に『現代社会論のキーワード』(ナカニシヤ出版)、『生成する大学教育学』(ナカニシヤ出版)がある。
内容説明
加速する大学改革、困惑する大学人。「大きな物語」が失われ、深みのないニヒリズムに蝕まれる大学。そうした時代にあってA.ブルームとR.ローティ、二人のアイロニストのかたる「大学の物語」とはどのようなものか。危機に瀕する大学で、古典に一筋の希望を見出す“政治哲学的考察”。
目次
序章 大学改革の限界
第1章 「ポスト・モダン」と古典―「大学の物語」をかたる条件
第2章 解体する大学における古典―A.ブルームの「大学の物語」
第3章 自閉する大学における古典―R.ローティの「大学の物語」
第4章 対立する古典論―「危機」か「希望」か
第5章 アイロニーとしての古典論
終章 「ポスト・モダンの大学」の彼方
著者等紹介
藤本夕衣[フジモトユイ]
1979年生まれ。愛知県出身。京都大学教育学部卒業。京都大学大学院教育学研究科博士後期課程修了。博士(教育学)。教育哲学、大学教育学専攻。日本学術振興会特別研究員、京都大学高等教育研究開発推進センター研究員、同センター特定助教を経て、現在、東京大学大学総合教育研究センター特任研究員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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