「文明」の宿命

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  • サイズ B6判/ページ数 206p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784757142886
  • NDC分類 543.5
  • Cコード C0095

内容説明

「脱原発」と「原発推進」の二項対立に意味はない。「現代文明の全般的危機」の中、膨大な虚無にとらわれる我々にとって、拠るべき思想の軸とは。3.11後の「核と原発」論。

目次

第1部 国家について(危機統治からの逃走(西部邁)
「モア・メイ・ビー・ベター」の選択(東谷暁)
「国家」を運営するパワーとモラル(富岡幸一郎))
第2部 危機をめぐって(議論以前に「安全強化」すべし(藤井聡)
危機の思想と、思想の危機(中野剛志)
強靱性を備えた成熟経済へ(原洋之介))
第3部 「人間の生」にかんして(トポス喪失への想像力(中島岳志)
「電気の世紀」を超えて(柴山桂太)
現代「文明」の宿命(佐伯啓思))

著者等紹介

西部邁[ニシベススム]
1939年北海道生まれ。東京大学経済学部卒業。東京大学教養学部教授を経て評論家に。1994年から2005年3月まで「発言者」の主幹を務める。現在「表現者」顧問。1992年第8回正論大賞。著書に『経済倫理学序説』(1983年吉野作造賞)『生まじめな戯れ』(1984年サントリー学芸賞)『サンチョ・キホーテの旅』(2010年芸術選奨文部科学大臣賞)など

佐伯啓思[サエキケイシ]
1949年奈良県生まれ。東京大学経済学部卒業。現在、京都大学大学院人間・環境学研究科教授。「表現者」顧問。2007年第23回正論大賞。著書に『隠された思考』(1985年サントリー学芸賞)『「アメリカニズム」の終焉』(1994年東畑記念賞)『現代日本のリベラリズム』(1997年読売論壇賞)など

富岡幸一郎[トミオカコウイチロウ]
1957年東京都生まれ。中央大学文学部仏文科卒業。在学中「意識の暗室」で『群像』新人文学賞優秀作受賞、評論活動を開始する。現在、関東学院大学文学部教授。「表現者」主筆(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

壱萬弐仟縁

8
富岡教授によると、フリードリッヒ・マイネッケは、国益の概念の根本に、国家理性という言葉を置いたという(067-8頁)。藤井教授によると、一生自動車に乗り続ければ「0・2%程度」の確率で「死」を招く交通事故に遭遇するという(074頁)。他人事ではない。中野先生は、TPP亡国論では評価できるが、原発については、ちょっと期待に反する。事故でそのものの是非は問えないというので(101頁)。論点の限定をしたいのだろうけども。安保の中身が問われる。原教授は、東南アジアでもインフレだと指摘(133頁)。保守的な論陣。2014/01/11

カインズ

1
【実践的な思想を】「核と原発」を軸として「国家」や「危機」、「人間の生」について論じる一冊。軽佻浮薄な脱原発論を糺す論考がやや多めのように思われるものの、脱原発論を唱える論考もこの本に挿入されているあたり、この問題の複雑さを伺わせる。印象に残ったのは、中野剛志氏の論考。氏の唱える実践的な思想についての考え方には納得させられ、原発に関する問題の整理については実践的な思想とはこういうものかと考えさせられた。結局、平時のことしか考えておらず、非常時のことを考えていないから脱原発論には説得力が無いのであろう。2012/01/24

Tadashi Totsuka

0
なんか、原発の存続を訴えているようで面白くない。安全な原発なんてありえないですよ。2013/02/02

マチコ

0
こちらも西部邁さん他、数人がお目当てで読み始めました。なんと言うか、藤井聡さんの思想と文章がとても好きだ!車社会のジレンマに、今まで悶々と抱えてきた気持を代弁してくれたような気がして、是非お友達になってほしい御方と思いました(笑)2012年10月現在、他の方にも興味が出てきたので、改めて読み直してみたい。図書館利用。2012/03/15

マウンテンゴリラ

0
30年代に原発をゼロにするという方針を政府が打ち出したようだが、安易に世論に迎合する軽々しい姿勢であると感じる。ましてやこれが来る総選挙のための人気回復策として打ち出されたものであるならば、絶望的な政府であるとしか言い様がない。せめて、本書のタイトルである文明の宿命ということを真摯に捉え、原発を含めた技術社会の将来を真剣に議論できる政治家が現れない限り、この国の将来は本当に絶望的なものになっていくような気がしてならない。感情的に軽々しくうつろいゆく世論を超えた、考え合う世論の形成を求めた書であると感じた。2012/09/09

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