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芸術の陰謀―消費社会と現代アート

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  • サイズ B6判/ページ数 209p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784757142770
  • NDC分類 704
  • Cコード C0010

内容説明

いまや芸術は「無価値・無内容」なのか?ボードリヤールによる挑発的現代アート論。

目次

芸術の陰謀
『芸術の陰謀』に関するインタビュー(アンディ・ウォーホルからの出発;私は古い美的価値にノスタルジーをもたない;コメディア・デラルテ;ユートピアと未来の先取りの間の芸術)
美の幻想と幻滅
現代アートのキーワード(本文に登場する人物や事項の簡単な解説)(塚原史)
「芸術の陰謀」というボードリヤールの陰謀―訳者解説・後記に代えて

著者等紹介

ボードリヤール,ジャン[ボードリヤール,ジャン][Baudrillard,Jean]
1929年(ランス(フランス))‐2007年(パリ)。フランス現代思想の代表者のひとり。元パリ大学ナンテール校教授(社会学)。ソルボンヌ大学卒業後、60年代末から現代消費社会の記号論的分析で世界的に注目された。その後、オリジナルとコピーの対立を超えるシミュラークル概念を導入、現実以上にリアルなハイパーリアリティとシミュレーションの時代を先駆的に論じ、9・11以降は、グローバリゼーションと和解不能な他者性の同時進行のうちに時代の徴を読みとる独自の思想で波紋を呼んだ

塚原史[ツカハラフミ]
1949年東京生まれ。早稲田大学政治経済学部政治学科卒業、京都大学大学院文学研究科修士課程修了、パリ第三大学博士課程中退。現在、早稲田大学法学学術院教授。専攻は、フランス現代思想、表象文化論。思想と芸術の先導的な関わりの新たな可能性を模索している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

魚京童!

12
これ、日本語?2015/02/05

サイバーパンツ

11
現代アートは、自ら無価値だと喧伝することで、客に深読みをさせ、彼らとの共犯関係を結ぶ。ボードリヤールは、これこそが芸術の陰謀であり、だから現代アートは本当の意味で「無価値」なのだと言う。そして、彼はその背景に、ハイパーリアル化社会・消費社会を見、それらの批判にも繋げていく。現代アート批判が中心ではあるが、彼の考え出してきた概念の思想的繋がりが明瞭となるので、現代アートに興味ない人でもボードリヤール好きなら楽しめるかと。2016/11/13

梟をめぐる読書

5
現代アートの現場では、(1)実際に「無価値・無内容」であるにも関わらず、敢えて「無価値・無内容」を主張することによって大衆に「意味」を錯覚させ(2)美術品としての価値はゼロに等しいにも関わらず高額で取引されることによって入札額=評価額となる「芸術の陰謀」が罷り通ってしまっている、という議論。1996年にフランスの日刊紙に掲載され、世界中で賛否両論を引き起こした。ボードリヤールはしばしばウォーホルの芸術を礼賛するが、90年代に「アートとは何か」を再考させたこの評論の存在もまたウォーホル的。2012/01/08

_Stroszek

4
無内容・無価値さを価値として提供する現代アートへの批判。「現実を横取りする[芸術が表象することをやめて、現実そのもとになる]ことで芸術自体を無限にリサイクルするという戦略に賭けるような芸術は、重要だといえるだろうか? [...]つまり、価値やイデオロギーとしてはとるにたらない、凡庸で、ゴミのような現実を横取りするのである」(10-11)、「世界中のギャラリーは、最近とくに芸術の廃棄物(デシェ)を取り引きするようになっている」、「芸術は陰謀であり、「インサイダー取引」でさえある」(87)など、挑発的。2012/11/23

NASUCUBE

3
ボードリヤールのアートの共犯詐称価値性の主張は正しい。ついに見つからないのは、現代以前がいかにして現代以前なのか、芸術が消滅していない時代(=社会が彼の言う芸術でない時代)が史上あったのか(社会生物学者たちははっきりノーと言ってくれるだろう)。”現代アートでないアート”という想定自体がボードリヤールの論旨に従えば絶対に不可能になるはずなのだが、多分彼が批判対象にしている、”いわゆる現代アート”との対比として架設した、ということだろうか。種村季弘にでもならって、”紀元前の現代アート”でも文献蒐集してみたい。2015/02/04

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