大学の下流化

電子版価格
¥1,496
  • 電書あり

大学の下流化

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 262p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784757142695
  • NDC分類 377.21
  • Cコード C0037

内容説明

「たしなむ」教養と「ため込む」教養、研究・教育の質を下げる大学無格差社会、大衆主義に迎合するテレビ文化人…高等教育の普及は浮薄の普及なり。大衆主義という圧力鍋。

目次

第1章 大学の下流化
第2章 大学のオンリー・イエスタデイ
第3章 全共闘の時代
第4章 逝きし日の知識人
第5章 大衆社会と知識人
第6章 ニッポン社会考
第7章 道楽的職業の周辺

著者等紹介

竹内洋[タケウチヨウ]
1942年(昭和17年)、新潟県に生まれる。京都大学教育学部卒業。同大学院教育学研究科博士課程満期退学。京都大学大学院教育学研究科教授などを経て、関西大学人間健康学部教授、放送大学客員教授、京都大学名誉教授。専攻、歴史社会学、教育社会学。主な著書に『日本のメリトクラシー』(東京大学出版会、日経・経済図書文化賞受賞)、などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

軍縮地球市民shinshin

12
大学が大衆化するに伴い、大学生も下流に引っ貼られて大衆化してしまった、という説を展開している。本書は著者のちょっとした文章を集成したNTT出版のシリーズ2冊目。つまり人間集団は、下流に引っ張れやすいということなのかもしれない。現代日本社会は「上から目線」を非常に嫌っているが、これは出る杭を打つことを正当化している理屈になっているのではないだろうか。そうすることによって、「下流での平等」が生まれる。著者の本ははずれがない。2019/05/09

kenitirokikuti

5
図書館にて。竹内せんせには『革新幻想の戦後史』のような長期連載評論もあるが、本書は主に新聞への短い記事(書評も含む)を排列したもの。表題「大学の下流化」は全体のテーマというわけではない。いまは合コンだが、むかしは合同ハイキングだった等、やや柔らかめの小ネタもある。森見の京大小説は異界ものでしょう、みたいな▲むかしの大学生は大衆に別れを告げてエリートになったが、ニューアカのころは一部のトップ大学のエリート学生が非・大衆的であろうとした。だが現在の大衆文化はエリートにも浸透。ゆえにニューアカがオタクを嫌う。2021/02/04

nutts

3
内側の視線から大学が現在抱えてる課題、それがどのような背景・経緯によって大きくなってきたのか、鋭い考察がなされ処方箋の提示がなされる・・・ように思うじゃない、このタイトル。確かに、序論で教養の価値がどのように生まれ変質していったかを語り、さらに第一章では様々な数字を駆使し、学生・教員の質の変遷について言及する・・・が、そこまで。後は、新聞・雑誌への寄稿をまとめたような内容。要はエッセイ?装丁からして、背筋を伸ばしてがっつり勉強するつもりで開いたので、なんとなく拍子抜け。面白いけど、どこか腑に落ちない。2011/07/28

takao

2
ふむ2023/11/24

ドクターK(仮)

2
書評やエッセイが多いこともあって、様々なテーマに言及されているが、本書のキーワードは高等教育の大衆化による「下方への同調圧力」だろう。例えば、大学生の読書量や勉強時間の減少が著しく、少し無理をしてでも知的レベルアップを図ろうとする「背伸び」文化が衰退しているという。同時に、下方への同調圧力である「これでいいのだ」文化が伸張し、「背伸び」文化的な学生はそうした同調圧力に対する文化防衛策として「文化的オムニボア」になってきているという指摘などは、自分の学生時代の経験からも非常に説得力のあるものに思えた。2015/05/12

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/3080519
  • ご注意事項