千年残る日本語へ

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  • サイズ B6判/ページ数 179p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784757142626
  • NDC分類 910.26
  • Cコード C0095

出版社内容情報

現代日本の文学は多様で豊饒な表現により新たな地平に到達しつつある。ポスト・モダンの時代における日本語表現の可能性を考察する。

文学の言葉は時を超え得るのか――現代日本の文学は、時代小説・エンター
テインメント、外国人による日本語小説など、多様で豊饒な表現により新たな地平に到達しつつある。本書は、ポスト・モダンの時代における日本語表現の可能性を作品を通して考察し、言葉の持つ力を甦らせる。

まえがき

1 ポスト・モダンの小説言語――村上春樹『風の歌を聴け』
2 口語文の歴史の頂上(ピーク)――古井由吉『やすらい花』『蜩の声』
3 文体の新鮮な力――朝吹真理子『きことわ』
4 終末論的世界の文学――小川国夫『弱い神』
5 越境者の文学――楊逸『陽だまり幻想曲』、温又柔『来福の家』
6 「実」を犯す言葉――車谷長吉『鹽壺の匙』『吃りの父が歌った軍歌』
7 中国を描く日本語――リービ英雄『天安門』
8 散文の可能性――藤沢周『キルリアン』『波羅密』
9 ポスト・モダンの巫女――柳美里『山手線内回り』
10 ジャンルの横断力――諏訪哲夫『ロンバルディア遠景』『領土』
11 震災後の文学の言葉――古川日出男『馬たちよ、それでも光は無垢で』
12 虚実皮膜としての日本語――津原泰水『11 eleven』
13 時の流れを映す言葉――森内敏雄『梨の花咲く町で』
14 ゆるやかで速い言葉の魔界――大道珠貴『きれいごと』
15 「父」なる言葉の探索――田中慎弥『共喰い』

付   地鳴りとしての文学の言葉

あとがきに代えて――ツイッターと文芸時評

【著者紹介】
1957年生まれ。文芸評論家。関東学院大学文学部比較文化学科教授。「表現者」主筆。著書に『使徒的人間 カール・バルト』(講談社文芸文庫)、『非戦論』(NTT出版)などがある。

内容説明

日本語文学の豊饒な可能性。ポストモダン時代の「永遠の感覚」を求めて。

目次

ポストモダンの小説言語―村上春樹
口語文の歴史の頂上―古井由吉
永遠の感覚―朝吹真理子
近代リアリズムを超えて―小川国夫
越境者の文学―楊逸、温又柔
「実」を犯す私小説―車谷長吉
「美しい日本語」とは何か―リービ英雄
物としての言霊―藤沢周
響き合う「声」たち―柳美里
現代小説の実験―諏訪哲史
震災後の言葉
虚実皮膜の面白さ
時の流れを映す
ゆるやかで速い、表現の魔界
虚構の「父」の探索
世界を駈け抜ける日本語
地鳴りとしての文学の言葉

著者等紹介

富岡幸一郎[トミオカコウイチロウ]
1957年東京生まれ。中央大学文学部仏文科卒業。在学中「意識の暗室」で「群像」新人文学賞優秀作受賞、評論活動を開始する。現在、関東学院大学文学部教授、「表現者」編集長、鎌倉文学館館長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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