キャラクター文化入門

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  • サイズ B6判/ページ数 226p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784757142565
  • NDC分類 674.3
  • Cコード C0095

内容説明

多様化するキャラクター受容の現在。現代の日本のキャラクター論は大まかに二つの方向性に分けられるだろう。ひとつは、個々のキャラクターの歴史的系譜や人気の背景などを分析したキャラクター文化論。もうひとつが、キャラクターの商品としての流通形態やメディアでの展開、さらには政府のコンテンツ政策などに注目したキャラクター産業論。本書は前者、キャラクター文化論の立場からみるものである。

目次

第1章 キャラクターとは何か(リアリズムの系譜;データベースとしてのキャラクター ほか)
第2章 キミとセカイとの戦いでは、セカイを支援せよ!―セカイ系とキャラクター(セカイ系とは何か;セカイ系と「親密圏」 ほか)
第3章 インターフェイスとしてのキャラクター―オタク文化とヤンキー文化(ヤンキー文化とは何か;ヤンキーマンガを概観する ほか)
第4章 現在のキャラクターたち(聖地巡礼―キャラクターをめぐる想像力;最萌トーナメント―ネタ投票の変遷 ほか)
おわりに(コンテンツ政策としてのメディア芸術祭;キャラクターとコミュニケーション)

著者等紹介

暮沢剛巳[クレサワタケミ]
1966年生まれ。東京工科大学デザイン学部准教授。美術評論家。専門は美術、文化批評(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

8
美術評論家のキャラクター論。先に斉藤環と東浩紀を読んでいたので目新しい議論はそれほど多くはなかったが、既存作品の分析・考察をメインとした事例紹介が丁寧に易しく書かれているので、この分野の入門書としてはとても読みやすい一冊だった。特に頻出の村上隆とセカイ系の説明が丁寧で分かりやすかった。ただ作者の意見は所感に留まっていた印象で、遠慮気味な評論だったのが少し残念だった。オタクとヤンキーの対比や初音ミクの考察はもっと掘り下げたら面白くなりそうなテーマ。アートをはじめ制作側の業界事情の話題が面白かった。2014/05/11

Chicken Book

4
著者の個人的感想が多く感じたけど、ゼロ年代のキャラクター周りの流行とか人気作があらかたおさえられていたので、参考にはなった。ただ、この本を手に取ったのが2021年。発行から約10年しか経っていないというのに、すでに内容がかなり時代遅れになっている感があり、このジャンルの変化の速さを強く感じた。๛ก(ー̀ωー́ก)2021/09/16

NICK

2
面白そうなタイトルだったので読んでみた。カオスラウンジへの言及、ハーバーマスの「親密圏」なる概念によるセカイ系の読み直し、ヤンキー文化とキャラクター文化の接続、またラブプラスや初音ミクの需要感覚を「萌え」とはまたちがうものではないかとする分析など、興味深い言説がいくつかあった。特に最後の、キャラクターとのコミュニケーションに特化し疑似恋愛を体験するゲームであるラブプラスに従来的な「萌え」の定義をあてはめられるかを問う部分は面白い考えに思えた。固有名詞の間違いが目に付くのがちょっと残念。2011/09/29

生ハム

1
「入門」にふさわしく、キャラクターについての考察の流れを上手く押さえた一冊。値段はややするものの、丁寧にまとめてある良書。データベース理論を下敷きにしている印象。 その中で、「ラブプラス」が「萌え」に当たるのか、という疑問が生まれました。 萌えはデータベース消費と親和性が高い概念である以上、 キャラクターとのコミュニケーションが擬似的に取れる(≒データベースの一方的消費ではない)ラブプラスは、 むしろごくごく一般的(?)な恋愛感情を志向してる、のかなぁ。 でもキャラの造形的には明らかに萌え意識だよねぇ。2012/09/18

化け猫

1
確かにタイトルにあるように「入門」がふさわしい作品。他分野について書かれているし読みやすくなっている。レポートを書く際に大変役立った。2014/12/18

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