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“時と場”の変容―「サイバー都市」は存在するか?

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  • サイズ B6判/ページ数 245,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784757142404
  • NDC分類 361.78
  • Cコード C0036

内容説明

環境はメディアであり、メディアは環境である。人類史的な深度と広がりをもった視点から、メディアと情報化を捉え、その現在のあり方、そこから見えてくる現代社会の特質を、明らかにする。

目次

序 始まりの風景
第1章 「景観」の中の“時と場”
第2章 景観の消失、イメージの浮上
第3章 “時と場”の変容
第4章 「サイバー都市」は存在するか?
第5章 ヴァーチャルとユビキタス
結 情報化、メディア社会と人間の条件

著者等紹介

若林幹夫[ワカバヤシミキオ]
1962年東京生まれ。1986年東京大学教養学部相関社会科学分科卒業。1990年東京大学大学院社会学研究科博士課程中退。東京工業大学助手、筑波大学講師、同助教授、教授を経て、2005年より早稲田大学教育・総合科学学術院教授。博士(社会学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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Ecriture

5
マス・メディアによって世界が同期されるように思えるが、それは具体的な事物を抽象的なものに変換した上での同期でしかない。現在のところサイバーシティなるものは誕生していないし(ユビキタス・コンピューティングにも限界があることは自明)、具体的事物を元にデータが生まれ、またデータを読み取る人間がいなければデータも意味をなさないことから、事物とそれを取り巻く「窓」からのつながりからなる混成的な社会を生きる他はない。性急なサイバー都市論と美化された過去へのノスタルジーのどちらにも偏重すべきではない。2013/08/30

おかも2323

1
鉄道・自動車はチューブ状の「場を占めぬ場所」を、モバイル・メディアは「無-場所へと通じる場所」を生み出す(景観の消失とイメージの浮上)。こうして空間は、過去の「遥かなる根源」の共同性からも、それが媒介する意味からも切断される。しかし人間は時間と空間の制約を完全には越えられない。半ばは自らの体に身をおき半ばはメディアによって超えながら、どっちつかずのあり方を受け入れるべき。単一化・透明化された世界への欲望を現実と取り違えると「ヴァーチャルの罠」に陥る。メディアの進展と相関する<時と場>の変容を明快に論じる。2016/08/07

shimojik

1
アウラ:イマココに遥かな根源が臨在する世界感覚/16世紀のイタリアに風景は存在しなかった。あったのは地域性/環境:そこに存在すること。風景:環境の感覚的表出/クレーの新しい天使は過去を見ている/距離の存在は図化できる。電話は距離を乗り越えるが距離は厳然している/ネットの中に新しい都市や社会は現れない。そう考えがちだが/情報化はそれ以前の社会に新しい関係や行為を付加し混成化する。そこに人は希望と不安を持つ/2013/02/02

K_1

1
他の著作と並べて見てもぶれの小さい一貫性ある若林氏の新著。人類史的視点から情報化社会やメディア社会とは何なのかを見つめていく。主に近代以前と近代以降に分けて考え、サイバー都市、ユビキタスにも切り込む。「人間は、その条件である時間と空間の制約を完全に乗り越えることなどできない」とした上で、〈時と場〉がこれまでいかに変容してきたか、デジタルがいよいよ混ざり込むこれからいかに変容していくのかを明らかにしてゆく。2012/04/04

shimiyo1024

1
これ予告されたとき自分の興味の範疇とドンピシャだ!と思って発売後割と間もなく2600円お布施の心意気で買って、途中まででしばらく放置しててやっと最後まで読んだけど最高、感動。若林先生フォロワー少ないだろうけど信奉してますんで宜しく!2010/07/16

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