内容説明
日本ソムリエ協会認定ワインエキスパート資格をもつ歴史社会学者によるグローバリゼーション入門講義。
目次
第1部 ワインのグローバル・ヒストリー(モノから見る歴史;旧世界と新世界;ワインにとってのヨーロッパ ほか)
第2部 ワインとグローバリゼーション(フォーディズムとポスト・フォーディズム;ワインとメディア―ロバート・パーカーの功罪;テロワールの構築主義 ほか)
第3部 ポスト・ワイン(ワインのマクドナルド化?;ローカリティへの疑問;ツーリズムとしてのワイン ほか)
著者等紹介
山下範久[ヤマシタノリヒサ]
1971年大阪生まれ。東京大学教養学部卒業。ニューヨーク州立大学ビンガムトン校大学院留学後、東京大学大学院総合文化研究科単位取得退学。北海道大学大学院文学研究科・文学部助教授を経て、立命館大学国際関係学部准教授。専門は歴史社会学、世界システム論。日本ソムリエ協会認定ワインエキスパート、米国ワインエデュケーター協会認定スペシャリスト・オブ・ワイン(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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壱萬弐仟縁
7
フードツーリズム論で参考文献にあったので借りた。です、ます体で明快な論理。私は先生と同年齢でウォーラーステインファンでもある。ツイートをフォローしている。近代に特有の「再帰性」(74頁~)。これは、小倉康嗣先生の『高齢化社会と日本人の生き方論』2006年でも出てきた重要概念。自己を対象化すること。第6講フォーディズムとポスト・フォーディズムは懐かしいテーマ。高付加価値商品の少量生産(117頁)。僕の自費出版は高付加価値かどうかは読者に譲るとして、少量出版。ポスト・フォーディズムを地で行くのは光栄である。2013/09/21
ヨハネス
2
図書館リサイクル本。改題・補講がついて文庫化されたから処分されたんだな。「ローカル」と「グローカル」、「グローバル」と「グロースバル」などもちろん説明はあるんだけど理解できなかった。専門用語は難しいけどワインは好きだからワイン史は面白かったです。文明のローマ人がガリア人を野蛮人と見ていただろうとか。シュール・リーは技法の名前。パーカーポイント、テロワールは知りたかった話でした。15世紀後半に小氷河期があったのも知らなくて驚いたし、ドンペリニョンは発泡を撲滅するためにその修道院にやってきたんだって!2019/06/16
taming_sfc
2
ワインを切り口にグローバル化を考える良書。第二部「ワインとグローバリゼーション」が山場。とくに、テロワール概念の検討を通じて、グローバル化とローカル化が共犯関係であるとの指摘に持ち込む論理が明快。「テロワールという概念が、さかんに述べたてられるようになった背景には、流通規模の拡大という、いわゆるグローバリゼーションの上に…大量生産から…多品種生産へというポスト・フォーディズム化の流れが重なり合う構造があるのです(p.145)」。最近EUの原産地表示に関心を持っているので、この種の書籍は頭の整理になる。2015/08/20
メルセ・ひすい
2
12-122 講義調? 先生、やるね!ワインとワインの歴史・解説 切れるからソウトウしつこい、勿論、自覚しているから始末が悪い。ローマは素焼き壺・アンフォラから遠征したガリア人の樽へ。ミズナラ製。今はオークチップ=ティーバック方式。DNA談義は皆無。パスツールはどうしてもメインに! ワインエキスパート資格をもつ歴史社会学者による、グローバリゼーション入門講義。「ワイン」というモノの視点から、グローバリゼーションの歴史的過程やそれにともなう変化の連関などを解説する。 2010/02/12
スミレ雲
1
昨日の土曜日に入手し、今日とりあえず読み終えた。ざっと読んだ感じなので、じっくり読んだわけではないが、gidensの本を読み直したくなった。存在するモノとしてのワインと、認識する記号としてのワイン。それを裏表の関係のなかでというか切り離せないものとして扱ってるところが気に入った。2015/11/22