出版社内容情報
わたしたちの生きた「近代」は本当の近代だったのか。ポップカルチャー(映画)という物語を通して問う、空虚なる日本の真因。
内容説明
私たちの生きた「近代」は、本当の近代だったのか。いま、日本のホンネが爆発する!ポップカルチャーという「物語」を通して問う、空虚なる日本の真因。
目次
夢見られた近代
『千と千尋の神隠し』がひそかに美化する国の末路
死者の国の玉砕願望
「ビンラディン教」の福音
ターミネーターの逆説
『フイチンさん』と近代日本
イノセンスという呪縛
銀河鉄道の堂々めぐり
『華氏911』の虚構と現実
幻想としての『華氏911』
アメリカの終わりなき滅亡
さよなら日本の子供たち
宮崎駿と「論理の死」
ゴジラの夢見た本土決戦
怪獣王かく去れり
滅びの国の止まった時間
幻想政治学とは
著者等紹介
佐藤健志[サトウケンジ]
1966年(昭和41年)東京生まれ。評論家。東京大学教養学部卒業。1989年、戯曲『ブロークン・ジャパニーズ』で文化庁舞台芸術創作奨励特別賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
草生やすな
0
我々が現実を認識しようとするとき、どうしても願望や価値観がはいってきてしまう。現実もフィクションとしての側面をもつのではないか?著者は物語を読み解いていくことによって、覆い隠したくなるような社会願望をあらわにしていく。とくに欧米コンプレックスについての指摘が鋭いと思った。あんなに努力したのに、日本人は欧米の仲間入りはできなかった。日本人の主体性、帰属意識はどなっているんだろう。欧米人にどれだけ近づけるかとかじゃないよなぁー?あと、この本は政治の本みたいだよ。2014/01/11
なか
0
虚構にこそ人間のホンネが表れる。ポップカルチャーに込められたメッセージから、現実政治を考えていく。 ・欧米コンプレックス・日本人としてのアイデンティティの危機・総力戦からアメリカ迎合への日本の変節・敗戦の美化 2019/04/14