内容説明
多人種・多民族社会の素顔がそこにある。100を超える物語が織りなすマルチエスニックな世界を読み解く。
目次
第1章 アメリカ先住民―贖罪意識と憧憬の対象
第2章 越境するヒスパニック系―近くて遠いアメリカで抱く望郷の念
第3章 今を生きる黒人―混迷を深める「兄弟」たち
第4章 歴史の中の黒人―冤罪とリンチで流された血
第5章 等身大のユダヤ人―その意識と行動特性
第6章 反ユダヤ主義―排斥を生み出すメカニズム
第7章 声なき少数派、アジア系―忍従の移民が賞賛を得るまで
第8章 ホワイト・エスニック―マフィアから平和集団アーミッシュまで
第9章 異人種・異教徒間カップル―恋路をさまたげる多様な障壁
著者等紹介
佐藤唯行[サトウタダユキ]
獨協大学外国語学部教授。一橋大学大学院社会学研究科博士課程単位取得。専門は米英の人種関係史、ユダヤ人史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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nizimasu
3
エスニックって人種という意味だけど、様々な人種が共存するアメリカの内情を映画を通じてとらえようと言う試み。ネイティブアメリカンから黒人にヒスパニック、アジア系と様々だけど比較的、入手しやすい作品が多くて解説も平易。個人的にスパイクリー懐かしくてみたくなりました2014/01/19
awe
0
アメリカの多様なエスニシティ一つ一つについて一貫して社会学的な考察を行なっている良書。文章も読み易い。何より、映画の内容紹介を通じてそのエスニシティを理解するという手法が本当に楽しい。特にユダヤ人、アイルランド人、イタリア人など白人間の序列や軋轢についての記述は新鮮なものだった。2017/09/15
メコノプシスホリデュラ
0
最近USAのエスニックに関心がある自分にとって得るところ大のアメリカ映画入門書。アメリカ史におけるエスニック集団の捉え方のヒントが随所に。たとえばイタリア系と黒人の対立がエスカレートしやすいのは、歴史的にアラブ系や黒人との混血が南イタリア系移民のコンプレックスにも起因することなど。ただハリウッドの資本や俳優等に占めるユダヤ系アメリカ人の立ち位置を考えるなら、ユダヤ系映画にはなお批判的に切り込んでほしかった。先住民を扱った『ブレイブ』『折れた矢』、ポーランド系移民の『天国の門』等、多数のDVDを購入した。2013/11/30
トリスタン
0
多くのテーマで映画を紹介しながら考察する。ただし文中に映画が引用されるので、一覧性に乏しいといううらみがある。また映画によっては掘り下げが浅い場合もある。テーマは次のとおり。 第1章 アメリカ先住民 第2章 越境するヒスパニック系 第3章 今を生きる黒人 第4章 歴史の中の黒人 第5章 等身大のユダヤ人 第6章 反ユダヤ主義 第7章 声なき少数派、アジア系 第8章 ホワイト・エスニック 第9章 異人種・異教徒間カップル2020/01/03