アニメ作家としての手塚治虫―その軌跡と本質

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  • サイズ A5判/ページ数 268p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784757141520
  • NDC分類 778.77
  • Cコード C0095

出版社内容情報

手塚が日本のアニメーションに与えた影響とは? その功罪を改めて評価する。

内容説明

「アニメが作りたいからマンガを書いている」とまで言った手塚治虫。彼が日本のアニメーションに与えた影響を豊富なインタビューを交え、総合的な視点からとらえなおす。

目次

第1章 アニメへの開眼―手塚治虫の出発点
第2章 虫プロ設立まで
第3章 『鉄腕アトム』の背景
第4章 実験アニメーションの成果
第5章 手塚アニメの語られ方
第6章 大衆か実験か
第7章 手塚アニメとは何だったのか

著者等紹介

津堅信之[ツガタノブユキ]
アニメーション史研究家。1968年、兵庫県尼崎市生まれ。近畿大学農学部卒業。現在、京都精華大学アニメーション学科特任講師、大阪芸術大学キャラクター造形学科非常勤講師。日本アニメーション学会理事。主要研究領域は、日本アニメーション史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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Z

1
手塚治虫を好きでも嫌いでもない著者を好きでも嫌いでもない読者が読んだが、漫画ではなく、アニメ作家としての手塚治虫をかなりまとまった視点で論じていて面白かった。ディズニーの動きがリアルなアニメーションと対比し、製作にお金時間がかけれないため、動きを簡略化したアニメを対比し、手塚治虫のもたらしたアニメの功績にたいし、新たな視点を獲得できた。2015/01/22

淡雪

0
題名から想像される各作品解題ではないので,その点は注意が必要。内容はアニメ制作者としての手塚治虫の立ち位置(虫プロはアニメ作家達の場として作った,商業アニメはある程度方便であり実験アニメを第一と考えていた等)を関係者のインタビューから模索した好著。アトムの制作費が実際は広告代理店からの裏契約で100万円補填されていたこと,虫プロスタッフの待遇は極めてよかったことなど完全な新事実ではないがあまり知られてこなかった部分もきちんと記述している。2017/05/13

富士さん

0
再読。日本のアニメ研究史に残る超名著です。内容は今でもまったく衰えない刺激的で示唆的なもので、手塚治虫さんのアニメに対する業績をここまで広範に、地に足のついた形で調査しまとめ、一つの像を作り上げた仕事は後にも先にも知りません。論旨に関係の薄い数行の記述への批判くらいで揺らぐものでは全くないように思います。記述は悪く言えば歯切れが悪いものですが、安易な断定を避けて限られた資料と確立されていない方法の中で、質的なデータを基礎に、出来るだけ説得力のあるものにしようとされている努力は高く評価されるべきものです。2014/07/07

barthes1980

0
ひたすら文献と聞き取りをもとに事実を再検討していく。その手続は学者肌で僕には真似できないなあ・・・・・・と思いました。アニメ研究におけるアプローチ方法を考え直した一冊。2012/09/23

nanchara_dawn

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「週に1回」「1話30分」「複雑なストーリーをも含む」「(漫画との)メディアミックス」など、現在のテレビアニメのスタイルの原型となった『鉄腕アトム』。著者は、手塚の「漫画家」としての側面を捨象し、彼が「アニメ作家」として何を考え、どこを目指していたのかを、文献や関係者の証言から明らかにしていく。宮崎駿による手塚治虫批判があったことすら知らなかったので、当時の雰囲気が少しでも窺い知れて良かった。2012/08/01

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