戦争はいかに「マンガ」を変えるか―アメリカンコミックスの変貌

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  • サイズ A5判/ページ数 331p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784757141445
  • NDC分類 726.1
  • Cコード C0036

内容説明

主にアメリカ同時多発テロ事件、俗にいう「9‐11」以降のアメリカンコミックスの変化について論じたものである。

目次

第1部 アメリカンコミックス(見えないアメリカンコミックス;作家の居場所;抑圧と解放)
第2部 「9‐11」(「転向」するひとびと;逃避の問題;スパイダーマンと二つの塔)
第3部 戦時下のマンガ表現(日本という言説空間;饒舌と沈黙;リベラルの右往左往)

著者等紹介

小田切博[オダギリヒロシ]
フリーランスライター、アメコミ研究家。トイ、アニメ、サブカルチャー誌など、幅広い分野の雑誌で活躍中。また、アメコミやディズニー関連の書籍の翻訳も手がける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

彼方

1
あの時、9.11以降の世界を、自分も含めて誰もが論じていた。 振り返ってみると、それらの殆どが何かを語らなければいけない、という空気に当てられて、誰かの言葉を自分の言葉のように語っていたものだ。 そんな経験があった上での話だが、この本にはそういう浅はかな態度は少しもなかった。 他国の事件を、他国の文化で語る、大枠で言えば自分と同じ理解のスタートラインに立っていたはずだが、全く違う態度であった。 知性とはこういう事柄を表すのだろう。 ガムシャラに走ることと同じ位、その場所に留まるは難しい。2019/08/14

コウみん

1
小田切先生の講演会を聞き、もう一度読んでみた。(4回くらい読んだが。) 先週の日曜日、小田切先生の講演会?があった。 そこで、この本の発刊10周年(実は11年)を記念し、今からの海外マンガ研究について語った。 実はみんな、この本を研究書と思っているが、本人は批評書だと言われている。実際にこの本を読む人を全員殴ろうとした話が… 手塚治虫がアメコミの影響を受けたとか9・11テロによるアメコミの変化、戦争の表現などよく書かれてあり、漫画研究者たちにはおすすめしたい一冊だと言われる。2018/07/20

コウみん

1
9・11テロ事件以降、アメリカンコミックスの変化とアメリカンコミックスについての事典みたいな本。 先生のアイデンティティーの本だと思われる。 小田切博先生は90年代頃からアメリカンコミックスについて紹介するものを書き始め、アメリカンコミックスなどの論文とか書かれている。 今の時期、ちょうどいい。 ちなみにこの本は本人の話では批評書だと言われている。 「お前らはアメコミなんか知らねぇ。」と言いながら。2015/07/24

てら

1
労作。著者の姿勢にブレや偏りがなく、大変勉強になった。日米の「マンガ」の違いと(時間差のある)相似、そして「戦争」に対する姿勢…というより戦争「からの」侵食。非常に納得のいく論述であり、同時に暗澹たる気分になった。この本から7年、現在の我々の状況はさらに悪化している。現実に負ける程度の虚構など不要!2014/06/28

松竹バイバイ

1
どんなマンガも時と場合によっては政治的な色を帯びてしまう。所謂職人気質であり、自己表現という意識の薄かったアメコミの作家たちが、政治と対峙せざるをえなかった時の迷いや葛藤がよく書かれている。まんがをまんがとして書く、という当たり前の結論に達したけど、その当たり前は表現が政治的にも読まれうるということを念頭に置いておかなければ案外と難しく、簡単に右にも左にも流されてしまう。日本でもいつ起こってもおかしくない状況だし、色々と考えさせられることも多かった。2014/01/03

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