出版社内容情報
日本経済が世界の中で縮みつづけている現状を憂え、日本型格差社会の到来への深い危機感をもとに、大企業も中小企業も成長するボトム・アップ型の経済成長を達成するための処方箋を提案する。
内容説明
主要先進国の中で最低となっている日本の成長率。その原因は少子化で、これからは低成長でいくしかないという議論があるが、それは違う。選択と集中の時代になった今日、日本企業が成長のための投資を行うようにするにはどうしたらいいか?―アベノミクスの旗振り役として活躍した前・内閣府事務次官が提案する、日本経済復活の処方箋。
目次
第1章 縮み続けた平成の日本
第2章 日本企業が日本に投資しないメカニズム
第3章 ものづくり国家の危機
第4章 働き盛りの世代の貧困
第5章 働き盛りの世代への投資
第6章 国がだめでも企業は発展する
著者等紹介
松元崇[マツモトタカシ]
1952年東京生まれ。東京大学法学部卒業。大蔵省に入省。スタンフォード大学経営大学院修了(MBA)。野田政権、第二次安倍政権で内閣府事務次官を務める。現在、国家公務員共済組合連合会理事長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
templecity
5
アベノミクス策定にも携わった著者。GDPを伸ばすような成長をしていかねばならない。終身雇用制は日本企業の代名詞のように言われているが実は戦後に定着したもの。日本も高度成長だったので問題はなかったが低成長期になるとこの制度がリスクとなり企業は投資を控えるようになり海外へ投資が向かった。IT時代となり、工業製品をどこで作っても品質の良いものが作れるようになると日本の優位性が劣ってきた。明治維新も最初は低成長だが、政府が増税をして投資を続けてきたので明治20年ごろにその効果が出てきた。2019/06/10
TK39
1
なかなか示唆に富んだ内容です。なぜ、日本が成長できないのか?技術、資本、労働力を持つにもかかわらず、それがうまく機能しない。ポイントは生産性であり、かつて強みであった終身雇用が選択と集中の時代で足枷となり、企業内でも再教育もできず、余剰人員になっている。課題は記載しており、政府、社会は労働流動性を高めるべきとのこと。著者は内閣府に勤めていたようだが、なぜ手を打てない?どうして行くのかの具体策はイマイチなのが残念。とはいえ、生産性向上というと早帰りと考えるだけの人も多いが、残業問題とは別だということは明確。2019/06/01
しまちゃん
0
主要先進国の中で最低となっている日本の成長率。アベノミクスの旗振り役として活躍した前・内閣府事務次官・松元崇氏が、なぜ低調となっているのか、どうすれば日本経済は復活するのかについて語っています。転職して所得が増えないメカニズム=メンバーシップ型雇用。生産性の低い中小企業を淘汰せずに、つぶれないような手厚い保護政策がとられたこと。護送船団的な中小企業政策を競争原理に基づくものに変えていくことが必要です。「幸福な人は仕事ができる」という心理的な側面に着目することによって、企業も国も力強い成長を実現できる。2019/08/27