出版社内容情報
アメリカはどこに向かうのか
19世紀、トクヴィルの時代以来、米国を世界一の経済大国に発展させてきたのは、アメリカ人の比類なき開拓者精神だ。よりよい暮らしを求め、リスクをとって革新の道を歩む米国人のメンタリティは、フランクリンからスティーブ・ジョブズまで、米国のダイナミックなイノベーションの礎となった。
しかし、その精神がいま減退し、アメリカ社会に格差と停滞を生み出している。本書ではその原因を、変化を先延ばし、現状維持しようとする人たち(本書ではそれを「現状満足階級」=complacent classと呼ぶ)の拡大に見出し、現状満足階級の台頭が、企業間の競争や移住、転職、様々なイノベーションを停滞させる要因になっていると警鐘を鳴らす。
アメリカ人はなぜ創造をやめたのか?デジタルテクノロジーの普及は米国社会に何をもたらしたか?
開拓者精神を失いつつある米国はどこに向かうのか?
全米ベストセラー『大停滞』『大格差』で話題を呼んだ経済学者が、米国社会の行方を占う問題作。
内容説明
安定・安全志向が強く、変化を嫌う「現状満足階級」の台頭が分断を拡大させ、イノベーションを減退させる―。社会階層の流動性はなぜ失われたのか?デジタル技術がなぜ格差の拡大を生むのか?開拓者精神を失った世界はどこに向かうのか?全米ベストセラー『大停滞』『大格差』で論争を呼んだ経済学者が、「変わらない時代」の快適さに警鐘を鳴らす。
目次
はじめに―日本は「現状満足階級」の先駆者だ
第1章 現状満足階級の誕生
第2章 移住大国の変容
第3章 甦る社会的分断
第4章 創造しなくなったアメリカ人
第5章 マッチング社会の幸福論
第6章 アメリカ人が暴動をやめた理由
第7章 活力を失った社会
第8章 民主主義の形骸化が進む
第9章 現状満足階級が崩壊する日
解説 タイラー・コーエンの思想的立ち位置―リバタリアニズム(自由至上主義)という視点(渡辺靖(慶應義塾大学SFC教授))
著者等紹介
コーエン,タイラー[コーエン,タイラー] [Cowen,Tyler]
米国ジョージ・メイソン大学経済学教授・同大学マルカタスセンター所長。1962年生まれ。ハーバード大学にて経済学博士号取得。人気経済学ブログ「Marginal Revolution」、オンライン教育プロジェクト「MRUniversity」を運営するなど、最も発信力のある経済学者として知られる
渡辺靖[ワタナベヤスシ]
慶應義塾大学SFC教授。専門はアメリカ研究、文化政策論。1967年生まれ。ハーバード大学大学院博士課程修了(Ph.D.社会人類学)。ハーバード大学国際問題研究所、オクスフォード大学シニア・アソシエート、ケンブリッジ大学フェローなどを経て現職。著書に『アフター・アメリカ』(慶應義塾大学出版会、サントリー学芸賞)など
池村千秋[イケムラチアキ]
翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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K1
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