資本主義が嫌いな人のための経済学

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  • サイズ B6判/ページ数 403p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784757122819
  • NDC分類 331
  • Cコード C0033

出版社内容情報

経済学的な疑問について考えるときに起こる間違いを示し、正しく資本主義とつきあうための経済学入門。

世の中の不正や不公平に疑問を持つ人は誰でも、多少なりともアンチ資本主義だ。だが、左のリベラルから右のリバタリアンまで、資本主義を批判する人々は、ほとんどの場合誤っている。経済学的な疑問について考えるときに起こる間違いを示し、正しく資本主義とつきあうための経済学入門。

第1章 資本主義は自然――なぜ市場は実際には政府に依存しているか

第2章 インセンティブは重要だ……そうでないとき以外は

第3章 摩擦のない平面の誤謬――なぜ競争が激しいほどよいとは限らないのか?

第4章 税は高すぎる――消費者としての政府という神話

第5章 すべてにおいて競争力がない――なぜ国際競争力は重要ではないのか

第6章 自己責任――右派はどのようにモラルハザードを誤解しているか

第7章 公正価格という誤謬――価格操作の誘惑と、なぜその誘惑に抗うべきか

第8章 「サイコパス的」利潤追求――なぜ金儲けはそう悪くないことなのか

第9章 資本主義は消えゆく運命――なぜ「体制」は崩壊しなさそうなのか(しそうに見えるのに)

第10章 同一賃金――なぜあらゆる面で残念な仕事がなくてはいけないのか

第11章 富の共有――なぜ資本主義はごく少数の資本家しか生みださないか

第12章 レベリング・ダウン――平等の誤った促進法

【著者紹介】
ジョセフ・ヒース:1967年カナダ生まれ。哲学者。トロント大学准教授(哲学&公共政策・ガバナンス)。著書に『ルールに従う』『反逆者たちのネイション』(共著)などがあるが、初の邦訳。

内容説明

資本主義に疑問をもつ人こそ、経済学を知るべきだ。身近な問題を通して説く、「経済学の考え方」入門。

目次

第1部 右派(保守、リバタリアン)の謬見(資本主義は自然―なぜ市場は実際には政府に依存しているか;インセンティブは重要だ―…そうでないとき以外は;摩擦のない平面の誤謬―なぜ競争が激しいほどよいとは限らないのか?;税は高すぎる―消費者としての政府という神話;すべてにおいて競争力がない―なぜ国際競争力は重要ではないのか;自己責任―右派はどのようにモラルハザードを誤解しているか)
第2部 左派(革新、リベラル)の誤信(公正価格という誤謬―価格操作の誘惑と、なぜその誘惑に抗うべきか;「サイコパス的」利潤追求―なぜ金儲けはそう悪くないことなのか;資本主義は消えゆく運命―なぜ「体制」は崩壊しなさそうなのか(しそうに見えるのに)
同一賃金―なぜあらゆる面で残念な仕事がなくてはいけないのか
富の共有―なぜ資本主義はごく少数の資本家しか生みださないか レベリング・ダウン―平等の誤った促進法)

著者等紹介

ヒース,ジョセフ[ヒース,ジョセフ][Heath,Joseph]
1967年カナダ生まれ。哲学者。トロント大学教授(哲学・公共政策・ガバナンス)。フランクフルト学派の流れを汲み、特にユルゲン・ハーバーマスの影響を受けている。革新的な専門書から一般読者向けの本まで幅広い著書がある

栗原百代[クリハラモモヨ]
1962年東京都生まれ。翻訳家。早稲田大学第一文学部哲学科卒業。東京学芸大学教育学修士課程修了(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

えちぜんや よーた

84
世の中を豊かにさせるためには、「稼いで増やす」か「価格を操作する」か。「右」か「左」か。考え出すと複雑な問題なのでどちらか側に加担して善悪を判断したくなるけど、物事はそんなにうまく行かない。経済学の教科書では座標軸と需要と供給のグラフを図で示すようなところを、わざわざ倫理とか哲学っぽい言葉で表現している。だから著書の考え方は中立っぽく聞こえて、左右どちら側からもいい顔はされないけど、そのかわり表立って批判されることも少ないと感じた。2016/11/07

ykshzk(虎猫図案房)

18
経済オンチに効くかもと手に取ってみた。出っ張ったものを入れるには何かが凹まないとならず、全てをたいらにならそうとして叩くと、別のところが出っ張る。資本主義経済が乗っかっている土台って永遠に平らにならない、そんなものなのだろうかと、随所に納得しながらもボンヤリとした読後感。経済学はお金の話ではなく、人間のこころの話だとすると、土台にもつ国の宗教が性善説か性悪説かで、その国の公益の考え方も変わるべきなのか。中長期的にも日本はスウェーデンにはならないのか。「死ぬことと納税は人生の二大不可抗力。」確かに。要勉強。2019/05/24

しゅん

18
『反逆の神話』もそうだけど、ジョセフ・ヒースは思い込みばかりの理想主義者に冷や水を浴びせる仕事が得意なんだろうな。右派と左派、双方のあらゆる誤謬を歴史の経験則と数学的論述から反駁していく。「資本主義はいつか終わる」←調整をすれば終わらない、あたりのツッコミが面白い。ヒースが経済学が本業ではないのでもっと初心者向けかと思ったけど、簡単に飲み込まないところと多かった。要再読。2019/03/15

魚京童!

16
私が嫌いな理由をチマチマ書いてくれてた。こういう本って最初と例示を数例読んで、最後を読めば終わった気になれるんだよね。ひたすら嫌いな例を出すだけだから。やばいに変われば、やばい理由をひたすら書くだけ。それだけの根拠があるんだぞぃ!って書いてるけど、嫌いなものは嫌いなんだよね。資本主義は間違ってるらしいし。しょうがないよね。嫌いなんだもん。いじめなきゃいいと思うんだ。みんなと仲良くやれなくてもいいんだよ。いじめなきゃ。私はいじめない。醒めた目で眺めるだけだから。もっと最悪だよね。わかってるよ。2019/05/01

ichiro-k

16
おおざっぱな内容は、平等を追求すれば非効率になり、効率を追求すれば不平等になる、平等と効率のバランスを上手くとることが肝要、ということ。著者の結論は、最大多数の最大幸福なのか?? 気になる箇所→人が営利追求にひっかかる主な理由は二つある。一つ目は、営利を私利と同一視して、そのために政府のような非営利の組織のほうがともかくも利他的に振る舞うと思い込んでいることだ。だが事実はもっとずっと込み入っている。 二つ目の理由は、一般的な企業とは特殊な協同組合にすぎないこと、協同組合はすべて所有者のためにあることを理解2012/03/19

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