内容説明
個的存在/記憶と集合的存在/歴史が交差し相互に作用しあうサイトとして、歴史学、人類学、美術史、ミュージアム学などのさまざまなジャンルの表象を視野に入れ、ルネサンスから現代まで、日本/中国からヨーロッパまで、時と場所を自在に越境/横断しながらポスト・ミュージアムの構造を解き明かす。
目次
1 序論 ミュージアムと記憶について(ミュージアムを通して考える;ミュージアム学の原・集積・組織構造;あるミュージアムとその記憶―歴史を回復する技/技;珍品奇物の陳列室と想像のミュージアム)
2 ミュージアムの中の記憶(歴史と反歴史―写真展と日本のナショナル・アイデンティティ;記憶の現実化、歴史の変容化―ユーロ/アメリカン/インディアンズ;グローバル・カルチャー、そして近代の文化遺産―中国の故宮コレクションを再・意識化する)
3 蒐集家と制度(近代のムーサたち―ルネサンスの蒐集活動と想起熱;ドイツのミュージアムにおける古代派と近代派の論争;ミュージアムの美術をめぐる言説―世紀転換期のベルリンにおけるキュレイター的美術史の形成)
附論 ジェフリー・ソナベンド『オブリセンス―忘却の理論と物質の問題』