目次
本書の視角と構成
第1部 土豪の融通と村の生存(居住形態にみる土豪と村;土豪の土地所有と村;土豪の融通と在地徳政構造;売券・借用状にみる土豪の融通;人身売買にみる土豪の融通)
第2部 村の生存と中近世移行期社会(地域権力家中の形成とその背景;土豪同名中の形成・構造とその機能;土豪の生態と村・大名;村の生存における土豪の機能;中世・近世土地所有史の現在;村・土豪・地域権力研究の軌跡)
著者等紹介
長谷川裕子[ハセガワヤスコ]
1972年、千葉県習志野市に生まれる。1995年明治大学文学部卒業、2002年、立教大学大学院文学研究科博士課程後期課程退学。博士(文学)。現在、立教大学兼任講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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コーリー
2
土豪が村側に求められた村の「生存」のための動向を、特に経済的側面に注目して分析した本。筆者によると、「村の生存をめぐっては、基礎部分に村という一つの生命維持組織があり、その外郭を土豪の広域的な融通が補完し、さらには、土豪を通じて申請される権力の保護機能が全体を包んでいた状況が浮かび上がってくる」という。また「こうしたそれぞれの身分に求められた役割こそが、当該期の村の生存をめぐる社会システムを創り出していた」という。タイトルにあるように、土豪は村の「生存」に寄与する存在であったことが、よくわかった。2021/03/12
吃逆堂
0
中間層論は難しい。室町期~近世初期をひとつの時代と見るわけだけれど、特異な戦国時代の到来・戦国大名の誕生を、中間層論や村落論からはどう説明できるのか、その辺りがよくわからなかったのは、たぶん私の読解力の所為。2012/02/10