内容説明
そのとき、いきなりライオンがあらわれた。日の光よりまばゆい金色の瞳は、ヒュラスに気づいていた…13歳になったヒュラスは、ライオンがあらわれた日にとつぜん襲われ、奴隷として島の鉱山で働かされることになった。そのころ、大巫女の娘ピラは、女神の館から逃げだすため、農民に化けて占い師に用意させた船に乗りこみ、白い山脈を目指そうとしていた。炎の心臓を持った島で、青銅の短剣をめぐり、それぞれの運命はふたたび出会うことになるのだが…紀元前1500年の青銅器時代のギリシアを舞台にした、歴史冒険ファンタジー・シリーズ第2弾!
著者等紹介
ペイヴァー,ミシェル[ペイヴァー,ミシェル] [Paver,Michelle]
オックスフォード大学で生化学の学位を取得、ロンドンで弁護士として活躍したのち、執筆活動に専念する。石器時代のヨーロッパ北西部を舞台とした歴史ファンタジー『クロニクル千古の闇』シリーズ(評論社・全6巻)は世界的ベストセラーとなり、最終巻の『決戦のとき』で2010年のガーディアン児童文学賞を受賞している
中谷友紀子[ナカタニユキコ]
神奈川県生まれ。京都大学法学部卒業。翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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さつき
75
2巻目の舞台は鉱山の島タラクレア。奴隷狩りに遭い鉱山送りになったヒュラスと、大巫女の館から逃げ出してきたピラ、そして一族の祭りに参加するためやって来たテラモン。再会した3人はそれぞれ少し大人になり葛藤を抱えています。成長は頼もしいけれど立場の違いからもう歩み寄ることは無いのかと思うと切ないです。ライオンの子ハボックがまるで猫みたいに懐くのが可愛い。次巻でもまた登場してほしいです。2023/05/19
たんたんx
22
ギリシャの青銅器時代を舞台にした波乱万丈の冒険物語の第2巻。時は第1巻の1年後に移り、ヒュラスとピラは火山の島で再開を果たす。この巻ではライオンの子供が登場する。各巻ごとに、主人公のヒュラスと動物達との交流が描かれる。物語のキーとなるのは、特別な意味を持つ「短剣」だ。ちょっとトールキンの『指輪物語』を思い出させる。強く賢いヒュラスだけど、少々自己中心的なところもある。煩悶しながら進んで行くヒュラスとピラの成長物語でもある。2016/12/14
杏子
22
ちょっと時間がかかってしまった。新たな島での冒険が始まる! 旅の途中、捕まって鉱山で働く奴隷にならされてしまったヒュラスの危機。前作はイルカと海の世界だったが、今作ではライオンと火山の、火の女神の世界。未だ神々の名前も定まらない世界での冒険はスリルに満ち、次の展開が楽しみになっている。再会したヒロインとの絡みも目が離せない感じになっている。ヒュラスも13歳と思春期に入ってきて、気になるところ…2015/12/30
詩歌
16
皆さーん、本日は火山島脱出イベントに参加して下さってありがとうございまーす。探索中は犬、ライオン、カラス、はては人外に捕まらないよう逃げ回って下さい。運がよければ温泉でひと息つけます。鉱山道探検中は、映画で見掛ける某怨霊やら某地底人を思い浮かべると、夢にうなされること間違い無し。救命ボートには限りがありますので、ご注意を。2016/01/11
クロ
13
面白くなってきた!今回の舞台は火山の島タラクレア。ヒュラスとピラは再会を果たすが、この島はカラス族に支配され、ヒュラスは鉱山で銅を採掘する奴隷にされていた。青銅の短剣をめぐってテラモンとの関係はますます心配だし、謎の男アカストスが現れた時は「おおー!」っと。クライマックスの<火の女神>の怒りの場面はすさまじく、ヒュラスとピラ、そしてライオンの子ハボックが生きて脱出できるかどうかハラハラの展開だった。次巻が楽しみ!2018/11/07