目次
序章 「性的マイノリティの難民」を問う
第1章 難民・強制移動とジェンダー/セクシュアリティ
第2章 国境におけるセクシュアリティの歴史と政治
第3章 性的マイノリティの難民の保護
第4章 難民の移動と語りの構築
第5章 難民の語りのクィアな可能性
終章 性的マイノリティの難民の包摂と排除
著者等紹介
工藤晴子[クドウハルコ]
神戸大学大学院国際文化学研究科講師。博士(社会学、一橋大学)、修士(難民・強制移動研究、オックスフォード大学)、修士(社会学、ニューヨーク市立大学シティカレッジ)。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)エジプト、トルコ事務所にて性とジェンダーに基づく暴力の予防や対応を中心とした難民支援に携わる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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カモメ
2
難民女性は政治的な領域が男性性に、私的な領域が女性性に結び付けられ不可視化されてきた歴史がある。また性的指向についてはわざわざ公表しなければ迫害の危険はないと解釈されていたが、2014年イギリス最高裁において当人に隠すことを要求されるべきではないと決定が下されたのは画期的だと思う。難民には一貫した合理的な陳述や供述が求められ、典型的で理解可能な形で可視化されなければ説得力を失う。これは難民の主体性を否定し多様に異なるはずの個人の背景と状況が無視されていると批判されている。2022/12/31