内容説明
公害と闘い、資本主義と闘い、人間として生きてきた人たちの作る労働組合とは何だったのか。熊本県の南端、水俣市にあった化学工場の労働組合と労働者たちの記録が一冊の本になった。地域社会と近代産業の交錯する地点での闘いと生活の歴史を、さまざまな視点から探る。
目次
水俣病とチッソに働いた労働者
第1部 チッソ経営と労働(労働組合運動の創生から安賃闘争前夜;安賃闘争;合理化の進行と労使関係―1960年代後半の大合理化と1980年前後の合理化;春闘史からみたチッソの労使関係;新日窒労組の運動の特質―70年代の差別是正、労災・職業病、工場維持存続をめぐって;経営史・技術史からみたチッソの企業体質とその特異性)
第2部 社会史からみたチッソと労働者(1960・70年代の新日窒労組の運動を担った労働者たち―その労働者像と地域ぐるみ闘争;合化労連の公害問題への取り組みと新日窒労組の水俣病闘争)
チッソ労働運動史研究の課題と水俣学
著者等紹介
富田義典[トミタヨシノリ]
1953年山口県生。1982年東北大学大学院経済学研究科博士後期課程単位取得退学。東北大学博士(経済学)。佐賀大学名誉教授(経済学部)。労働経済、労使関係論
花田昌宣[ハナダマサノリ]
1952年大阪府生。1985年京都大学大学院経済学研究科博士後期課程単位取得退学。パリ第7大学高等研究学位(DEA経済学)。熊本学園大学社会福祉学部教授、同大学水俣学研究センター長。社会政策学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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