内容説明
国籍とは何か?生地主義、血統主義、帰化の意味を跡づけ、“危機の時代”におけるユダヤ人の国籍剥奪、女性・植民地出身者に対する差別や不平等について緻密に検証。膨大な史料を渉猟し、フランス革命以降の国民/外国人の境界線のゆらぎ、平等・包摂の現代にいたる道程を実証的見地から描き出した圧巻の書。フランソワ・フュレ賞(2002年)など受賞の栄に輝く労作!
目次
1 近代国籍法の構築(アンシアン・レジームから民法典へ―フランス人の二つの革命;生地主義はいかにして導入されたか(一八〇三‐一八八九年)
国民への援軍としての帰化(一八八九‐一九四〇年))
2 フランス国籍のエスニック危機(ヴィシー―国籍政策におけるレイシズム;容易でなかった共和国的法制への復帰;フランス国籍のアルジェリア危機)
3 比較と実際運用における国籍(生地主義対血統主義―フランスとドイツの法律を対比させることの誤り;差別されたフランス人たち;どのようにフランス人になり、フランス人であり続けるのか―実際の運用におけるフランス国籍)
著者等紹介
ヴェイユ,パトリック[ヴェイユ,パトリック] [Weil,Patrick]
1956年生まれ。政治学博士。フランス国立科学研究センター(CNRS)研究主任(パンテオン・ソルボンヌ大学(パリ第1大学)20世紀社会史研究所所属)。移民、市民権の問題などを研究。統合高等審議会(1996‐2002年)委員、共和国におけるライシテ原則適用に関する検討委員会(スタジ委員会)委員(2003年)、国立移民史博物館諮問評議会評議員(2003‐2007年)などを歴任。『フランス人とは何か―国籍をめぐる包摂と排除のポリティクス』はフランソワ・フュレ賞(2002年)などを受賞し、英語版も刊行されている
宮島喬[ミヤジマタカシ]
お茶の水女子大学名誉教授
大嶋厚[オオシマアツシ]
翻訳者。前パリ日本文化会館副館長
中力えり[チュウリキエリ]
和光大学現代人間学部教授。博士(社会学・社会科学)2003年、マルク・ブロック大学(ストラスブール第2大学)
村上一基[ムラカミカズキ]
東洋大学社会学部講師。博士(社会学)2017年、パリ・ソルボンヌ大学(パリ第4大学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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BLACK無糖好き
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- 和書
- その扉をたたく音