出版社内容情報
天下り問題、そして森友問題、加計問題に続くあいつぐ不祥事。トップ官僚と政治権力に、これまでにない批判が投げかけられている。バブル経済崩壊後から現在にいたる状況のなかで、官僚とそのエリート性がどのように変質し、その背景には何があるのかを探る。
はしがき 漂流する霞ヶ関
序章 エリートとは何か
第一章 官僚はなぜエリートなのか
第一節 権力と優れた技能
1 制度上は大きな権限や権力を持たない日本の官僚
2 官僚が持つ優れた技能とは何か
3 インフラ機能を果たす官僚の行動力
第二節 強い威信と集合意識
1 官僚の威信
2 官僚の持つ集団性の強さ
第二章 官僚を襲った最大の危機――バブル経済崩壊後の行財政改革
第一節 行財政改革と公務員制度改革の流れ
第二節 政官関係の大きな変化
1 長期不況で変質せざるを得なくなった政官関係
2 政治主導と官僚内閣制
第三章 行財政改革に対する官僚の抵抗
第一節 官僚の抵抗
第二節 マスコミの場を通じた政官関係の敵対
第四章 官僚はどう変化したのか
第一節 権力・能力という側面からの考察
1 官邸主導体制と官僚の権力
2 内閣人事局の影響力
第二節 能力という観点からの官僚の評価
第三節 威信という観点からのエリート性の後退
第四節 集団性という観点からのエリート性の後退
第五章 ポピュリズムに翻弄されたバブル経済崩壊後の官僚
第一節 官僚バッシングとは何か
1 官僚バッシングとは何か
2 官僚バッシングを生み出した要因
第二節 官僚バッシングを生み出した構造的要因
1 経済状況の悪化による官民の労働条件の格差拡大
2 中央官庁が実績を上げることができなくなったこと
3 官僚や中央官庁と関連づけられた要因
第三節 受け身の官僚バッシング
1 官僚バッシングの特徴
2 長期化したマスコミ報道とポピュリズム
3 官僚バッシングと中核なきポピュリズム
第六章 外交不安はどれだけの効果を与えたか
第一節 ポピュリズムと外交・安全保障環境の変化と右傾化
第二節 官僚バッシングが止んだ消極的要因
第三節 外交・安全保障環境の変化と官僚
1 外交・安全保障環境の変化が政府に及ぼす影響
2 長期安定政権と官僚の関係
第七章 右傾化とポピュリズムについて
第一節 右傾化とは何か
1 右傾化とは何か
2 右傾化を補強する様々な社会現象
3 右傾化はいつくらいから始まったのか
4 日本の右傾化の現状
5 右傾化の内部要因
6 長期不況だけでは説明がつかない日本の右傾化
第二節 日本の誇りと官僚との関連について
第三節 国力とは何か
1 日本の国力は何か
2 日本企業と終身雇用
3 日本社会と企業
4 企業の力とは何か
第四節 官僚は右傾化の文脈でどう行動したのか
1 官僚は企業の競争力を高めることにどこまで貢献したか
2 一般国民からみた国力とは何か
3 官僚の右傾化への対応
終章 分裂する官僚
第一節 日本社会はエリートを必要としているのだろうか
第二節 はっきりしない国民の官僚像
第三節 官僚はまだエリートか
参考文献
中野 雅至[ナカノ マサシ]
著・文・その他
目次
序章 エリートとは何か
第1章 官僚はなぜエリートなのか
第2章 官僚を襲った最大の危機―バブル経済崩壊後の行財政改革
第3章 行財政改革に対する官僚の抵抗
第4章 官僚はどう変化したのか
第5章 ポピュリズムに翻弄されたバブル経済崩壊後の官僚
第6章 外交不安はどれだけの効果を与えたか
第7章 右傾化とポピュリズムについて
終章 分裂する官僚
著者等紹介
中野雅至[ナカノマサシ]
神戸学院大学現代社会学部教授。1964年、奈良県大和郡山市生まれ。同志社大学文学部英文科卒業、The School of Public Policy,The University of Michigan修了(公共政策修士)、新潟大学大学院現代社会文化研究科(博士後期課程)修了(経済学博士)。大和郡山市役所勤務ののち、旧労働省入省(国家公務員1種試験行政職)。厚生省生活衛生局指導課課長補佐(法令担当)、新潟県総合政策部情報政策課長、厚生省大臣官房国際課課長補佐(ILO条約担当)を経て、2004年公募により兵庫県立大学大学院応用情報科学研究科助教授、その後教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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