出版社内容情報
メキシコ、中米地域ではマヤやアステカなどの古代遺跡が人気の観光スポットになっているが、その地で興った文明の全体像、そして現代まで続く文化の独自性はどれだけ知られているだろうか。西洋的な価値観ではとらえきれないメソアメ
目次
1 メソアメリカとは
2 古代メソアメリカの歴史
3 古代文明の実像
4 古代メソアメリカの思想と宗教
5 古代メソアメリカの文化と社会
6 古代文明の終焉―スペイン征服と植民地支配
7 植民地支配下の文化変容と新たな文化の生成
8 国家形成とメソアメリカ先住民
9 メソアメリカ社会のいま―現代先住民の世界
著者等紹介
井上幸孝[イノウエユキタカ]
大阪府大阪市出身。大阪外国語大学、同大学院、メキシコ国立自治大学留学を経て、神戸市外国語大学大学院修了。専修大学文学部准教授。専攻:メキシコ史(植民地時代史、アステカ史)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Canna
2
複数の著者による58章を経て、文明のおこりから現代までのメソアメリカを見る本書。前半の部分は他資料でも読めた内容を、より細かく正確に知ることができた。注目すべきは後半、スペイン侵略後から現代に向けての話。とても面白い。無知を多く恥ずかしく思いつつ、どのように旧大陸からの侵略者と交わり、今に至っていくのかを知れた。印象的なのは、スペイン侵略時の破壊を批判することは簡単で、今すべきは批判ではなく、その時代の常識の限界を知り現代に照らし合わせることという文章。考えさせられるし、メキシコ、グアテマラに行きたくなる2023/09/21
takao
1
ふむ2021/08/13
fantamys
1
メソアメリカ地域の複雑すぎる歴史と文化。2017/09/19
call
0
メソアメリカではインカ帝国とは対照的に高度な文字が発達していたという点が非常に興味深かった。また多くの国家や共同体が存在し、多くの言語が使われている中ナワトル語がリンガ・フランカとして使われておりスペイン人による征服の後もスペイン人が宣教のために現地の学校で宣教師に教育していたという点はメソアメリカにおける言語の歴史において特筆すべき点である。また、現代のメソアメリカを鑑みるに貧困や政治の混乱など解決されるべき問題は山積みだ。これらはスペイン人の征服の時代から地続きのものであり、先住民の地位向上が肝要だ。2015/12/22
みゅうとむ
0
「月には兎が棲んでいる」という観念は日本だけのものじゃなかったんだね。 現在のメキシコ・中米。前2000年頃から16世紀まで約3500年の間に興亡したモンゴロイド系先住民の文明。スペインが侵攻するまでは旧大陸文明圏との接触はなく特徴的な独自の文明を開化させた。 オルメカ文化、サポテカ文化、マヤ文明、国際都市ティオワカン、トルテカ文化、アステカ王国など。面白かった!2014/09/09