内容説明
ひとり親家族の親たちを「子づれシングル」と呼ぼう。今、日本には、男女合わせて150万人以上もの子づれシングルがいると推定される。生活の生き詰まりや夫の暴力から逃れるために離婚して子づれシングルとなった女性とその子どもたちの多くは、家計不安や元夫から身を隠す必要など、離婚後も生活困難な状況にある。なぜなのだろうか。なぜ、生活困難を解決できないのだろうか。解決のカギは、近年の結婚のあり方、妻と夫との不平等な関係、離婚の真相、不十分な福祉施策にある―筆者は30年近くかけてそれらを明らかにした。
目次
第1部 結婚のリスクと夫妻関係のリスク(女性にとっての結婚の意味とは;現代における夫妻関係の特徴―生成と解体;家族と暴力―ドメスティック・バイオレンス生成過程とコントロール;夫のもとから家出した妻たち)
第2部 ひとり親家族の現状と課題(ひとり親家族になるということ;ドメスティック・バイオレンスから離婚した母と子の今;母子家族の現状と社会的排除;ひとり親家族の自立支援と女性の雇用問題;“要支援”母子家族の自立条件―ある母子寮在寮家族の生活システム分析;ひとり親家族と子どもたち)
著者等紹介
神原文子[カンバラフミコ]
神戸学院大学人文学部教授。奈良女子大学大学院文学研究科修士課程修了。京都大学大学院文学研究科社会学専攻博士後期課程単位取得退学。この後、奈良女子大学より博士(社会科学)の学位取得。愛知県立大学文学部教授、相愛大学人文学部教授を経て、現在に至る。生活者の視点で、結婚、夫妻関係、親子関係、子育てなどをテーマに研究を行ってきたが、近年、同和地区の子育てと親子関係、ひとり親家族の生活支援、しつけと体罰、DVと虐待など、家族における人権問題に取り組んでいる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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