内容説明
都市では、新しいものがつねに誕生する。それを受け継ぎ伝統となし、新たなものを付加しながらその活力を形づくる。創造と再生を繰り返している都市が持つ特徴と性格を論じて、変化し続ける現在と伝統を考える。
目次
都市と都市生活(都市と都市性;都市の生活と民俗;都市の生活)
1 都市の生活誌(都市の多様性;多文化の都市と生活文化;現代文化の都市;ニュータウンの系譜と生活;地域の変貌と都市生活;都市郊外のレジャーランド;都市に生きる)
2 伝統的な都市の民俗(京都の都市性―京都を題材とした都市民俗誌の前提;町屋の生活―都市の内部空間;商家の生活;会所のつきあい;往来する文化―「都鄙連続」の民俗)
3 昭和大衆芸能史の一断面―人間ポンプを追って(元祖人間ポンプ;人間ポンプという芸;人間ポンプの模倣者たち;人間ポンプの後継者1 園部士郎さん;人間ポンプ2 安田里美さん)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
壱萬弐仟縁
2
E.グレイザーの本とは違い、日本的な民俗都市論。一安心。都市にも民俗的なるものが感じ取れるのは日本だからこそだ。京都は戦時下に影響を受けなかった(80ページ)。これは不幸中の幸いであったと思える。町家の生活(82ページ~)。人間ポンプという芸(215ページ~)。ドン引きの芸かもしれないが。体を張った芸というのは、火を使ったのも現代ではあるが、安全には気を付けてほしいと思う。いくら客が喜ぶといっても、程があるだろうから。火吹きというので亡くなってしまうことにもなったので(229ページ)。見世物としての都市?2012/12/16