出版社内容情報
財政破綻に直面した真田松代藩の再建を託された恩田杢。その改革過程を描き、『日暮硯』から再建成功の理由とリーダーの資質を検証。
内容説明
江戸中期、財政破綻に直面した真田松代藩の再建を託された恩田杢。その改革の過程を描き、当時から経世の書として読み継がれてきた『日暮硯』を読み解いて、再建に成功した理由とリーダーの資質を、史実から検証する。
目次
序章 改革の時代と恩田杢
第1章 『日暮硯』を読む
第2章 恩田杢と松代藩宝暦改革
第3章 十八世紀における諸藩の改革
第4章 『日暮硯』と改革の論理
終章 改革成功の条件
著者等紹介
笠谷和比古[カサヤカズヒコ]
1949年神戸市出身。1978年京都大学大学院文学研究科博士課程単位取得。博士(文学)。現在、国際日本文化研究センター名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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転天堂
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世間で有名な松代藩士ツートップ(?)のひとり、恩田杢の改革とそれを題材にした『日暮硯』について再検討を行っている。『日暮硯』の改革を手本としたとも思われる上杉鷹山は、ケネディ元大統領のおかげで今も人気ある歴史上の人物のひとりであるが、それに比べると恩田杢は今はあまり知名度が高くないのは、『日暮硯』があまりにも理想論すぎで、前近代の江戸時代の創作に思われているからではないか、と筆者は指摘する(私個人としては山本七平のせいの気がする)。しかし痛みを伴う人々を改革にいかに巻き込みかは、現在でも大いに参照すべき。2023/11/21