内容説明
ペリー来航から西南戦争まで―。明治政府による全国統治の体制が成立する時代。通商条約の解釈と運用をめぐる対立など、さまざまな立場に立つ勢力が、近代国家の樹立をめざして争った様相を新たな視点で描き出す。
目次
近世から近代へ―プロローグ
1 世界体系への参入
2 戦略論としての奉勅攘夷
3 日本国政府の創出と公議
4 国家機構の整備と大名領主の解消
5 近代化政策の進展と反動
維新の語り―エピローグ
著者等紹介
青山忠正[アオヤマタダマサ]
1950年東京都に生まれる。1983年東北大学大学院文学研究科博士課程単位修得、博士(文学・東北大学)。現在、佛教大学歴史学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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アメヲトコ
5
近世政治史シリーズの最終巻は、ペリー来航から西南戦争までの近世近代移行期が対象。しばしば言われる開国対攘夷という単純な図式を排して各主体の動向を丁寧に論じています。幕末物によくあるストーリーは著者の指摘するとおり、後世(とくに戦前期)にかたちづくられた「語り」なのでしょう。2018/09/26
かろりめいと
4
幕末時の幕府、天皇、公家の考えがよく分かりとても面白かった。2022/09/30
MUNEKAZ
4
ペリー来航から西南戦争まで、政治史を中心にしたまとめた一冊。面白いのは序章で「幕府」「藩」「開国」といった歴史用語が、この時期に実際の資料上に表れだしたのを指摘している点。それまで当たり前だった体制が、動乱を中で作りかえられ、新たな意味づけや名前づけをされていく様子(例えば「朝廷」の対としての「幕府」など)がよくわかる。また当然だけど維新の変革も、当時の政治家たちの清濁併せのむ現実的な判断で進められたもので、決して理想や大志だけで成されたものでは無いことを痛感する。2017/08/21
陽香
2
201211102017/03/05
Macchan
0
薩長、天皇、幕府それぞれがどういう意図の元何をして権力が委譲していったのかを知りたくて読んでみた。 あと、井伊直弼、色々言われてるけど日本が当時の中国みたいにならなかったのは彼の判断のおかげなのかもなー。と、安政の大獄の負の面以外で結構評価するようになってしまった。 その他にも重要人物って結構暗殺されていて、当時の改革はまさに命がけの出来事だったのだな、ということが分かる。 2013/12/06